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【大岩ジャパン総括】879日――紆余曲折の航海を続けた2年半の物語。未来に残したレガシーとロスへの宿題

カテゴリ:日本代表

松尾祐希

2024年08月08日

OAや欧州組の招集が難航

関根は24年に入って台頭した1人。五輪本戦でも主力としてプレーした。写真:金子拓弥 (サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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 結局、スケジュールが決まったのは23年5月。24年4月半ばから5月初旬に開催される運びとなったが、選手たちに心の内を見せずに骨格を作り上げながら、世界で戦うための準備を進めるのは簡単ではなかった。

 しかし、不測の事態と向き合ってきた経験はチーム作りに活かされ、何が起こっても動じない強固な組織を構築する礎となった。実際にオリンピックイヤーとなった24年は、ほとんどの活動でベストメンバーを組めなかったのだが、スムーズにチームを固められたのは、アクシデントと向き合いながら、過去2年で多くの選手を招集してきたからこそ。

 パリ行きを懸けたU-23アジアカップはインターナショナルマッチウィーク外の開催となるため、海外組の選手を招集できない可能性が高い。そうした情報は事前に入っており、3月はメンバー入りが可能な選手だけを呼んで最終チェックを行なった。

 逆に2年半ぶりの招集となった荒木や、23年9月のU-23アジアカップ予選を最後に代表から離れていたDF高井幸大といった戦力を融合させる機会にもなり、コアメンバーではなかった右SB関根大輝も台頭。U-23アジアカップで優勝&パリ五輪の出場権を掴み取る原動力となった。
 
 本大会行きが決まると、今度は五輪本戦に臨むチーム作りに着手したが、オーバーエイジの選手やU-23組でも欧州組の交渉が難航。発足当初から比べれば、多くの選手が海外に活路を見出しており、所属クラブから一度はOKが出ても、移籍が決まれば新たなクラブの了承を取り付ける必要もあった。

 予選と本大会の間はわずか2か月半。当初の予定では6月の遠征でOA組も含めてベストメンバーを編成し、五輪に向かうための最終調整の場にする考えを持っていたのだが、交渉がうまくいかずに五輪本大会に参加できる可能性が高いU-23組だけで活動する形になった。

 結局、本大会ではOA枠を1つも使わず、U-23世代の海外組でもMF藤田譲瑠チマ、MF山本理仁、GK小久保玲央ブライアン、斉藤とMF三戸舜介といった面々を招集できた一方で、久保はもちろん、鈴木彩、鈴木唯、FW小田裕太郎らは不参加に。さらにバックアップメンバーに選んでいた売り出し中のMF佐野航大も土壇場で差し替えになるなど、最後までアクシデントに見舞われた。

記事:【U-23日本代表22選手の通信簿】ベスト8の大岩ジャパン、全体的にはまずまずの評価。唯一の『S』はGS突破の立役者【パリ五輪】
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