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連盟会長の「決定発表」にアンチェロッティは困惑、マドリー会長は激怒。セレソンの後任監督騒動はなぜ起きた?ブラジル人記者が糾弾「リスペクトを欠く」【現地発】

カテゴリ:ワールド

リカルド・セティオン

2023年08月08日

騒動の大元はCBFだが、アンチェロッティにも非はある

 くだんの発言はもちろんマドリーに警戒を持たせ、不快にした。それはそうだろう。スペインの名門はCBFのようないい加減な組織ではない。フロレンティーノ・ペレス会長は今回の件に関し、非常に怒っている。

 スターを多く抱える強豪が、まだ契約が残っている間に次はどこのチームに行くなだと言うことはあってはならない。そうした緊張と誤解を解くために「少なくともこの1年はレアルのみに集中する」と発言しなければならなくなったのだ。

 とにかく2024年が終わるまでアンチェロッティが来るのは0%。それまでは何の話し合いも行われないだろう。最悪、アンチェロッティがこうしたCBFのいい加減な態度に辟易して、かかわりを持ちたくないと思う可能性も否定できない。
 
 ただ今回の件に関してはもちろん騒動の大元はCBFだが、アンチェロッティにも非はある。マドリーの監督でいる間はCBFと話をするべきではなかったし、噂が出た時点で即座に否定すべきだった。とにかく全てがすべてにリスペクトを欠く。マドリーとブラジル代表双方の選手、スタッフ、そしてサポーター。彼らの想いは置いてきぼりだ。

 とにかくブラジル代表はいまだ崩壊したままだ。フランス、アルゼンチン、オランダ、ドイツ、イングランドといった世界の強豪が選んだ監督たちでさえ、W杯への準備は4年以上かかる。もしアンチェロッティが来年の7月に来たとしても、その時点でゼロからのスタートになる。W杯までは2年しかない。

文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子

【著者プロフィール】
リカルド・セティオン(Ricardo SETYON)/ブラジル・サンパウロ出身のフリージャーナリスト。8か国語を操り、世界のサッカーの生の現場を取材して回る。FIFAの役員も長らく勤め、ジーコ、ドゥンガ、カフーなど元選手の知己も多い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授としても大学で教鞭をとる。

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