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連盟会長の「決定発表」にアンチェロッティは困惑、マドリー会長は激怒。セレソンの後任監督騒動はなぜ起きた?ブラジル人記者が糾弾「リスペクトを欠く」【現地発】

カテゴリ:ワールド

リカルド・セティオン

2023年08月08日

アンチェロッティは「会長の発言には正直驚いている」

クラブと掛け持ちでセレソンの暫定監督となったジニス。(C)Getty Images

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 それでもCBFは、自分たちは賢明な選択をしたと思い込んでいた。もしジニスがこの1年うまく仕事をこなせば、その後も代表に残りアンチェロッティをサポートできるだろう。アンチェロッティはブラジルを知らないが、そこを補えるはずだ。

 もしくはジニスをユース年代の代表監督にしてもいい。選手たちと共に成長し経験を積み、2026年以降のA代表の指揮官になるのも可能だ。反対にジニスがうまくいかないことがあれば、感謝してクビにすればいい。

 また、もしアンチェロッティがセレソンでうまくいかなかった場合はジニスをそのまま格上げすることもできる。それなら最初からジニスにしておけばよかったのではないかとも思うが、CBFはあまりにも早く「時期監督は外国人」と宣言してしまった。

「来手がありませんでした。だからブラジル人にしました」では自分たちが誤っていたことを認めることになる。彼らは意地でもそれだけはしたくなかったのだ。
 
 しかし問題はある。まずフェルナンド・ジニスのサッカーは、アンチェロッティのスタイルではない。かつて彼はインタビューでグアルディオラを尊敬しているとも言っている。CBFは今後「ジニスとアンチェロッティはいつでも自由に話ができるようにしておく」とは言っているが、2人はこれまで一度も話したこともない。

 そして7月14日。爆弾が投下された。この日、アンチェロッティはCBFにメッセージを送った

「自分はいまだにマドリーの監督であり、契約は来年の6月まである。ロドリゲス会長の発言には正直驚いている。ブラジルサッカー連盟とは何度か話をしたことがあるだけだ」

 つまりロドリゲス会長はアンチェロッティに何の確認もなく、フライングで彼が次期監督と発表してしまったのである。ロドリゲスはこの3月に正式に会長になったばかりで、自分がいかに優秀であることを示したかった。一方、代表監督が決まらない事へのメディアのプレッシャーは大きく、W杯後の親善試合のひどい結果がそれに拍車をかけ、そのため彼はあまりにもしゃべりすぎてしまったのだ。

 アンチェロッティとの話し合いの感触が悪くなかったため、彼が一度もOKと言わなかったにもかかわらず、思わず次期代表監督と言ってしまった。それがイタリア人指揮官には寝耳に水となってしまったのだ。
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