前任者が作ったチームに上積みを加えて魅力的なチームを創成。
◇NO.5
カルチョに新風を吹かせた新指揮官
――P・ソウザ監督(フィオレンティーナ)
ここまで、ユベントス、ナポリ、インテル、ローマを代表するプレーヤーをひとりずつ挙げてきたが、前半戦最大のサプライズであるフィオレンティーナのシンボルは、チームを率いるパウロ・ソウザ監督だろう。
前任のヴィンチェンツォ・モンテッラが3年かけて築き上げたポゼッションサッカーという土台に、ボールロスト直後のハイプレスという最新の守備戦術を組み合わせて、これまでのセリエAには見られなかったモダンなスタイルを短期間でチームに根付かせた。
守備の局面では4-4-1-1、攻撃に転じれば3-4-2-1と異なるシステムを使い分け、しかも積極的なポジションチェンジまで許容するというきわめて柔軟性の高い、しかし常に高いレベルで戦術的秩序が保たれたフィオレンティーナの組織は、今のセリエAで最も興味深い戦術トピックだ。
平均60パーセント前後という圧倒的なポゼッションをゴールに結びつけるのは、ソウザ監督たっての希望で獲得されたクロアチア代表CFニコラ・カリニッチの、質の高いオフ・ザ・ボールの動き。タイミング良く裏のスペースに飛び出し、ヨシプ・イリチッチやボルハ・バレロからのラストパスを引き出すそのハイレベルな連携も必見だ。
文:片野道郎
カルチョに新風を吹かせた新指揮官
――P・ソウザ監督(フィオレンティーナ)
ここまで、ユベントス、ナポリ、インテル、ローマを代表するプレーヤーをひとりずつ挙げてきたが、前半戦最大のサプライズであるフィオレンティーナのシンボルは、チームを率いるパウロ・ソウザ監督だろう。
前任のヴィンチェンツォ・モンテッラが3年かけて築き上げたポゼッションサッカーという土台に、ボールロスト直後のハイプレスという最新の守備戦術を組み合わせて、これまでのセリエAには見られなかったモダンなスタイルを短期間でチームに根付かせた。
守備の局面では4-4-1-1、攻撃に転じれば3-4-2-1と異なるシステムを使い分け、しかも積極的なポジションチェンジまで許容するというきわめて柔軟性の高い、しかし常に高いレベルで戦術的秩序が保たれたフィオレンティーナの組織は、今のセリエAで最も興味深い戦術トピックだ。
平均60パーセント前後という圧倒的なポゼッションをゴールに結びつけるのは、ソウザ監督たっての希望で獲得されたクロアチア代表CFニコラ・カリニッチの、質の高いオフ・ザ・ボールの動き。タイミング良く裏のスペースに飛び出し、ヨシプ・イリチッチやボルハ・バレロからのラストパスを引き出すそのハイレベルな連携も必見だ。
文:片野道郎