引退後もアグレッシブに、前へ前へと突き進む

田中隼磨(たなか・はゆま)/1982年7月31日生まれ、長野県松本市出身。現役時代は横浜、東京V、名古屋、松本で活躍。2022年シーズンを最後に、現役を引退。J1通算420試合・15得点、J2通算149試合・4得点、J3通算1試合・0得点、日本代表通算1試合・0得点。写真:元川悦子
しかも、反町監督は「選手とは一定の距離感を保つ」というポリシーを持っていたから、選手側の疑問に対して懇切丁寧に説明することはなかった。正直、冷遇されているように感じたことも少なくなかったのではないだろうか。
「影響を受けた4人の監督に褒められたことがほとんどないというのは前回、言いましたけど、ソリさんには一番褒められたことがなかったかな(苦笑)。選手との関係も独特だったから、なかなか話もできなかったけど、僕に厳しく接することでチームの緊張感を高めようという狙いがあったのかもしれないと今は思います。
それに、ソリさんが山雅を離れたあとは、会うといろんなことを話せる関係になりましたね。昨年末に元山雅のメンバーと集まった時にもソリさんが来てくれて、これからの人生の相談もさせてもらえました。『山雅の流儀とは何か?』というのを一番よく分かっている人ですし、僕の言いたいことも理解してくれているのは心強いです」
とはいえ、隼磨がそこまでエネルギーを注ぎ続けた故郷のクラブは反町体制の後、布啓一郎、柴田峡、名波浩、霜田正浩と目まぐるしく指揮官が交代。2020・21年の2年間でカテゴリーを2つ落として、現在もJ3にとどまっている。
苦境から這い上がれず、足踏み状態を強いられるチームの助けになれなかったことに、隼磨は誰よりも悔しさを覚えていたが、引退を決めた以上は外から松本山雅の復活に貢献していくしかない。その想いは現役を離れた今も薄れることはないという。
「影響を受けた4人の監督に褒められたことがほとんどないというのは前回、言いましたけど、ソリさんには一番褒められたことがなかったかな(苦笑)。選手との関係も独特だったから、なかなか話もできなかったけど、僕に厳しく接することでチームの緊張感を高めようという狙いがあったのかもしれないと今は思います。
それに、ソリさんが山雅を離れたあとは、会うといろんなことを話せる関係になりましたね。昨年末に元山雅のメンバーと集まった時にもソリさんが来てくれて、これからの人生の相談もさせてもらえました。『山雅の流儀とは何か?』というのを一番よく分かっている人ですし、僕の言いたいことも理解してくれているのは心強いです」
とはいえ、隼磨がそこまでエネルギーを注ぎ続けた故郷のクラブは反町体制の後、布啓一郎、柴田峡、名波浩、霜田正浩と目まぐるしく指揮官が交代。2020・21年の2年間でカテゴリーを2つ落として、現在もJ3にとどまっている。
苦境から這い上がれず、足踏み状態を強いられるチームの助けになれなかったことに、隼磨は誰よりも悔しさを覚えていたが、引退を決めた以上は外から松本山雅の復活に貢献していくしかない。その想いは現役を離れた今も薄れることはないという。
「『山雅を何とかしたい』という気持ちはすごく強いし、それが自分の役割でもある。できることは何でもやりたいと思っています。その一方で、幅広くいろんなことにトライして自分自身、成長したいという想いも高まっています。
将来的には指導者を目ざして、A級、S級と上位ライセンスを取得していくつもりですけど、その前にまず自分の適材適所が何なのかを見つけたい。海外に行って勉強もしてみたいし、この前、地元のテレビで共演したスピードスケートの金メダリスト、小平奈緒さんのような別競技の方とも何かアクションを起こしたい。今年からは新たなチャレンジをどんどんしていくつもりです」
そう言って目を輝かせた田中隼磨。個性的な監督に加え、三浦知良、三浦淳宏、川口能活、楢崎正剛、松田直樹、中澤佑二、中村俊輔ら偉大な先輩たちから学んだメンタリティを忘れず、前へ前へと突き進むしかない。常に情熱的でアグレッシブな彼にしか切り拓けないセカンドキャリアがきっとある。それが具現化する日を楽しみに待ちたい。
取材・文●元川悦子(フリーライター)
将来的には指導者を目ざして、A級、S級と上位ライセンスを取得していくつもりですけど、その前にまず自分の適材適所が何なのかを見つけたい。海外に行って勉強もしてみたいし、この前、地元のテレビで共演したスピードスケートの金メダリスト、小平奈緒さんのような別競技の方とも何かアクションを起こしたい。今年からは新たなチャレンジをどんどんしていくつもりです」
そう言って目を輝かせた田中隼磨。個性的な監督に加え、三浦知良、三浦淳宏、川口能活、楢崎正剛、松田直樹、中澤佑二、中村俊輔ら偉大な先輩たちから学んだメンタリティを忘れず、前へ前へと突き進むしかない。常に情熱的でアグレッシブな彼にしか切り拓けないセカンドキャリアがきっとある。それが具現化する日を楽しみに待ちたい。
取材・文●元川悦子(フリーライター)