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【アナリスト戦術記】劇的逆転勝ちのドイツ戦で見えた森保ジャパンの現在地。次のコスタリカ戦に向け、改善したい点は…【W杯】

カテゴリ:連載・コラム

杉崎健

2022年11月25日

なぜ可変式スタイルを防げなかったか

図3:敵陣の守備

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 一転して守備に関しては、やはり向上すべき点が多い印象だ。前半の構造上の問題のみならず、後半もボールへのアタックのタイミングや強度、ボックスに入らせないための手段などは残り2戦で改善しなければならないと感じる。

 敵陣守備は、前半の立ち上がりこそ鎌田選手らが引っ掛けてショートカウンターを繰り出したものの、それ以降は奪う位置がラスト3分の1のエリアになってしまった。相手の可変式スタイルは事前に分かっていたなかでも、防げなかった。

 特に伊東選手と久保選手は誰を見るのかはっきりせず、鎌田選手と前田選手も背後のキミッヒ選手とギュンドアン選手が気になってCBに出られないことも続いた。

 ダブルボランチの遠藤選手と田中選手が前に出れば解決できるシーンもあったが、彼らに言わせれば、左右にいるムシアラ選手とミュラー選手がいるため出られないとの意見だろう。

 この配置的不利は後半のシステム変更で解決したのはご存知の通り。前半で苦労したラウム選手(の立ち位置)を、酒井選手が見ると明確化したことだ。それを嫌ってか、ラウム選手が前半では見せなかった、下がって受けようとするシーン(図3)が49分、53分、57分と立て続けに起こったのはその証左だっただろう。
 

図4:自陣の守備

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 前半の多くは自陣守備の時間が大半を占め、耐えるしかない時間帯もあった。その要因の1つは、ダブルボランチがカバーに追われてしまったことと見る。例えば13分のシーン(図4)のように伊東選手が前にいることで、酒井選手がラウム選手に出た時、当然相手はその後ろを狙ってくるわけだが、そのカバーはCBではなく遠藤選手が行なっていた。

 これによって空いてしまうバイタルエリアで、ミドルシュートを打たれた。19分にもキミッヒ選手、28分にはギュンドアン選手にもシュートシーンがあったように。

 後半はシステム変更により奪う回数は増えたが、シュート数自体を大幅に減らせたわけではない。ボールホルダーへのアタックのスピードと強度は弱く、69分のようにセルフジャッジで止まるシーンすらあった。これは意識の問題なので変えられるはずである。

 最終的に8つのシュートセーブが示すように権田選手の活躍なくしてこの逆転劇はなかったはずだが、再び迎える強豪との対戦で同様にすべて防ぎ切れるとは限らない。その手前の、最終ラインと中盤の「守備時の立ち位置」と「動き方」を精査して、進入を食い止めたい。
 
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