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【アナリスト戦術記】劇的逆転勝ちのドイツ戦で見えた森保ジャパンの現在地。次のコスタリカ戦に向け、改善したい点は…【W杯】

カテゴリ:連載・コラム

杉崎健

2022年11月25日

タメを作れなかったことは課題

図2:敵陣の攻撃

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 次に敵陣での攻撃について。この試合のボールポゼッション率は22%だったことからも、回数は少なかった。パス本数は普段であれば500から600本は超えるが、この試合はたったの261本。ブラジル戦でもそうだったように、いかに奪った時に相手の背後を狙えるかに焦点が絞られていた。

 前半は敵陣やハーフウェーライン付近で奪ってからショートカウンターを仕掛けたものの、シュート自体は最後の前田選手のヘディングシュートのみ。敵陣で「構築する」姿はなかった。

 相手の中盤と最終ラインの間を突いたのは90分で54回と出たが、これはドイツの3分の1の数字。そこで力を発揮する鎌田選手や久保選手が自ら自身の出来を酷評したように、タメを作れなかったことは課題だろう。

 この局面においては、後半のシステム変更が奏功した。ウイングバックとなった酒井選手はスタートが高い位置となり、彼が起点となって右からの崩しが増えた。49分のシーン(図2)は中央の鎌田選手からワイドで受け、ラウム選手の背後をパスとランニングで取れたし、52分は田中選手とのパス交換で上記のライン間を使って進入できた。

 56分も吉田選手のカットからワンタッチパスでリュディガー選手とキミッヒ選手の間にいる浅野選手に通し、3対3の状況を作り出した。
 
 これは前半の立ち位置ではできなかったものであり、72分の伊東選手のシュートのこぼれ球を押し込めなかったのは、今となってはご愛嬌となるかもしれないが、酒井選手が流れの中でのボックス内でボールを触った唯一で最大の決定機を作れたのもその恩恵だったと言える。

 ドイツ代表は、ネーションズリーグのイングランド戦やイタリア戦でも見られたように、時間が経過すると集中力が欠如し、スペースを与えてしまう傾向があった。それを見越してかまでは分からないが、立て続けに攻撃的な選手を投入し、結果的に途中出場のフレッシュな選手たちが躍動したのは采配の妙でもあるだろう。

 ウイングバックを起点にシャドーの選手が裏をついてゴールを脅かす。日本が守備時に苦戦を強いられた形でドイツから同点弾を奪って見せたのは痛快であった。
 
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