柏が苦しめられた広州恒大の「アスリートとしての強さ」。
しかし、それでも結果は付いてこなかった。勝負の分かれ目となったひとつ目のポイントはまず、ありきたりだが“決定力”にある。第1戦ではオフサイドにも見えた2失点と、パウリーニョのスーパーゴールが炸裂と不運な面もあったが、第2戦では柏のほうが数多くのチャンスを作り出したにもかかわらず、それをモノにできず、逆に広州恒大は柏の守備がたった一度集中を切らせたわずかな隙を突いて、ファン・ボーウェンが同点のボレーを突き刺している。
ふたつ目は大谷が明確な差として挙げた「アスリートとしての強さ」である。大谷はこう続けた。
「ボールを動かしていくのは大事ですけど、サッカーはうまいだけじゃ勝てない。そのなかで局面の勝負でもっともっと自分たちが五分五分のボールをモノにできる力強さを得ていかなければいけない。このレベルの相手に結果を残すのは、そこが自分たちに足りない部分だと思います」
縦パスが入った時に普段通り収めようとしても、後方からの強烈なチャージによって収めきれない、あるいは相手の力に負けて前に入られるシーンや、大谷も指摘したように球際の強さで上回る広州恒大側がセカンドボールを支配するシーンは度々見られ、その強さに柏は大いに苦しめられた。
今回の広州恒大戦は、柏のスタイルがアジアのトップレベルにも通用するという点では光明以上のものが見えた。このスタイルを継続し、さらに成熟させていく過程の中で、勝てなかった原因となった“決定力”と“フィジカル的な強さ”をこれから先、どう高めていけるかが、柏がアジアの頂点に立つための大きな鍵になる。
取材・文:鈴木 潤(フリージャーナリスト)
ふたつ目は大谷が明確な差として挙げた「アスリートとしての強さ」である。大谷はこう続けた。
「ボールを動かしていくのは大事ですけど、サッカーはうまいだけじゃ勝てない。そのなかで局面の勝負でもっともっと自分たちが五分五分のボールをモノにできる力強さを得ていかなければいけない。このレベルの相手に結果を残すのは、そこが自分たちに足りない部分だと思います」
縦パスが入った時に普段通り収めようとしても、後方からの強烈なチャージによって収めきれない、あるいは相手の力に負けて前に入られるシーンや、大谷も指摘したように球際の強さで上回る広州恒大側がセカンドボールを支配するシーンは度々見られ、その強さに柏は大いに苦しめられた。
今回の広州恒大戦は、柏のスタイルがアジアのトップレベルにも通用するという点では光明以上のものが見えた。このスタイルを継続し、さらに成熟させていく過程の中で、勝てなかった原因となった“決定力”と“フィジカル的な強さ”をこれから先、どう高めていけるかが、柏がアジアの頂点に立つための大きな鍵になる。
取材・文:鈴木 潤(フリージャーナリスト)