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視野の広さは縁起のいいトンボ!? 至高のベテラン遠藤保仁を昆虫に例えると? “こんちゅうクン”が私的解説!

カテゴリ:Jリーグ

こんちゅうクン

2021年12月04日

マイペースとは経験から生み出される最適解

 遠藤はよく“マイペース”と言われる。確かに動きがゆったりとしていて、スプリントすることは滅多にない。全速力のダッシュが少ないのは、あえてしないようにしていると本人が語っているように、ボールのコントロールが難しくなるのを避け、そのなかでプレーを選択しているからでもある。

 一見するとマイペースに見える遠藤のプレーは、フィールドで幾度も思考し、検討し続けたうえで、状況に応じて最適解を見出しているのだ。

 ギフチョウというチョウをご存じだろうか。「春の女神」と称され、この美しいチョウに会えるのは春のみという貴重な虫である。春に成虫が現れ、卵を産み、孵化した幼虫は初夏にさなぎになる。さなぎは夏も秋も冬もじーっと動かずにただ次の春を待ち続ける。

 昆虫といえば夏のイメージがあるかもしれないが、ギフチョウはセミがどんなに鳴き叫ぼうと、モンシロチョウが1年間のうちに何世代を繰り返そうと、1年に1度、春にだけ成虫へと羽化する「マイペース」を崩さない。
 
 ギフチョウは早春に新芽を出すカンアオイという植物に卵を産む。もし、夏に羽化してもうまく産卵できないどころか仲間にも会えず、生き残ること、命を繋ぐことはできない。あえて春にだけ成虫になる生き方を選択しているようだ。そして、この春にだけ現れるというマイペースさがギフチョウの魅力のひとつにもなっている。

 もっとも、昆虫は例外なくみんなマイペースである。その生き方は人間から見れば、大変に見えたり、不思議に思えるかもしれないが、昆虫たちにとっては自然界で生き残るために、長い年月をかけて進化してきた最適な生き方でしかないのである。

 昆虫と同じように、遠藤も長い年月をかけてサッカーの世界で生き残るためのプレーを作り上げてきた。マイペースに見えるプレーは決して自分優先なのではなく、経験の蓄積から生み出されたサッカーへの適応だ。

 41歳のベテランがさらに経験を積み、私たちの想像を超える彼らしい“マイペース”なプレーがさらに進化するのを、今からとても楽しみにしている。

文●こんちゅうクン

【著者プロフィール】
こんちゅうクン(北野伸雄)/1985年、静岡県浜松市生まれ。九州大学農学部生物資源環境学科で昆虫について学ぶ。チャバネアオカメムシの卵に卵を産みつける寄生バチの研究がテーマ。2014年より磐田市竜洋昆虫自然観察公園の職員として、昆虫の楽しさや面白さ、奥深さを子どもから大人まで幅広い世代に伝えている。2020年から磐田市竜洋昆虫自然観察公園の館長就任。
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