サポーターにとって勝利は必要。でも本当にそれだけでいいのか?
よこちゃんさんが「チームが勝つとごきげん」と言うように、南葛SCの存在は完全に日常に溶け込んでいる。
「私は長らくサッカーを観ている割には戦術などには疎くて。シンプルに勝った負けたで追うことに楽しみを感じています。なので勝つと超ごきげんでフワフワして生活してます(笑)。逆に負けたり引き分けたりすると、週明けから『なんで、昨日あそこで失点したんだろう』とか考えながら結構ストレスを抱えながら仕事をすることになります(笑)」
南葛SCに求めたいのはシンプルに「勝利」だ。
「どんなにいい内容のサッカーをしても負ければウキウキした気分にはなれないので。昨シーズンも今シーズンも、勝てているのですごく楽しいんです。一方で、今後昇格していって勝てなくなる時期が来るかもしれない。もちろん応援はしますけど、そのときは切ないんだろうな……と。ただ、勝利への闘争心は持っていただきつつ、穏便にやってほしいという希望もあるんです。無観客の試合をリモート中継で観ていると、結構厳しい言葉が聞こえてきてしまうので」
コロナ禍でリモート中継を中心に観戦してきた女性ならではの、少々複雑な思いが見え隠れする。勝利の喜びを感じたいのは純粋な気持ちだろうが、では、本当にどんな形でも勝ちさえすればいいのか、となれば必ずしもそうとは言い切れない面もあるようだ。
たばさんもチームが負けると、次の試合が来るまで落ち込むという。
「南葛SCの試合結果で翌日からの1週間が決まる。一度、東京都リーグの時に開幕戦を落とした試合があったんです。あの時は、試合後にみんなで食事に行ったんですけど、僕だけショックで食欲がなく、なにも食べられませんでした」
一方で、南葛SCが目指す「ボールを大事につなぐサッカー」は大好きだ。
「大好きなんですけど、チームのスタイルを確立する一方で、地域リーグだとがっちり守って少ない人数で攻めて勝ち上がるサッカーも多い。僕は結果を恐れずに自分たちのサッカーを続けてほしいと思うんですが、観ていて難しさも感じています」
サポーターを増やしていきたい思いがあるたばさんにとって、苦い思い出がある。
「都リーグ2部から1部へ昇格するまで2年を要した間に、応援する人の数が結構減ってしまった時期があったんです。ひどい時は僕とドイさんの2人ということもあって。その時の経験があって、以来みんなで歌えるチャントを考えたり、積極的に声がけをするようになりました」
チーム発足当初、ポッドキャスト上での話がきっかけで盛り上がり、現地に5~6人現れたロベルトも、気付けばたばさん一人になっていた。
勝たなければ、かつてのようにサポーターが減るかもしれない。そんな怖れが、心のどこかにあるのか。
「サポーターの果たす役割は結構大事だと思っていて。スタジアムの雰囲気はサポーターによって作られる部分が大きいじゃないですか。だから地道に人数を増やして、応援が解禁されたらスタジアム全体で声を出してチームを盛り立てていけるように。ゆくゆくは試合の流れを見て効果的な盛り立てができるようになりたいんです」
サポーターの声援がチームを盛り立てる。盛り立てられたチームが勝つ。チームが勝つことでサポーターが増える――。コロナ禍で分断されている理想のスパイラルを早く復活させたい。たばさんの本音は、そこにあるように感じる。
「私は長らくサッカーを観ている割には戦術などには疎くて。シンプルに勝った負けたで追うことに楽しみを感じています。なので勝つと超ごきげんでフワフワして生活してます(笑)。逆に負けたり引き分けたりすると、週明けから『なんで、昨日あそこで失点したんだろう』とか考えながら結構ストレスを抱えながら仕事をすることになります(笑)」
南葛SCに求めたいのはシンプルに「勝利」だ。
「どんなにいい内容のサッカーをしても負ければウキウキした気分にはなれないので。昨シーズンも今シーズンも、勝てているのですごく楽しいんです。一方で、今後昇格していって勝てなくなる時期が来るかもしれない。もちろん応援はしますけど、そのときは切ないんだろうな……と。ただ、勝利への闘争心は持っていただきつつ、穏便にやってほしいという希望もあるんです。無観客の試合をリモート中継で観ていると、結構厳しい言葉が聞こえてきてしまうので」
コロナ禍でリモート中継を中心に観戦してきた女性ならではの、少々複雑な思いが見え隠れする。勝利の喜びを感じたいのは純粋な気持ちだろうが、では、本当にどんな形でも勝ちさえすればいいのか、となれば必ずしもそうとは言い切れない面もあるようだ。
たばさんもチームが負けると、次の試合が来るまで落ち込むという。
「南葛SCの試合結果で翌日からの1週間が決まる。一度、東京都リーグの時に開幕戦を落とした試合があったんです。あの時は、試合後にみんなで食事に行ったんですけど、僕だけショックで食欲がなく、なにも食べられませんでした」
一方で、南葛SCが目指す「ボールを大事につなぐサッカー」は大好きだ。
「大好きなんですけど、チームのスタイルを確立する一方で、地域リーグだとがっちり守って少ない人数で攻めて勝ち上がるサッカーも多い。僕は結果を恐れずに自分たちのサッカーを続けてほしいと思うんですが、観ていて難しさも感じています」
サポーターを増やしていきたい思いがあるたばさんにとって、苦い思い出がある。
「都リーグ2部から1部へ昇格するまで2年を要した間に、応援する人の数が結構減ってしまった時期があったんです。ひどい時は僕とドイさんの2人ということもあって。その時の経験があって、以来みんなで歌えるチャントを考えたり、積極的に声がけをするようになりました」
チーム発足当初、ポッドキャスト上での話がきっかけで盛り上がり、現地に5~6人現れたロベルトも、気付けばたばさん一人になっていた。
勝たなければ、かつてのようにサポーターが減るかもしれない。そんな怖れが、心のどこかにあるのか。
「サポーターの果たす役割は結構大事だと思っていて。スタジアムの雰囲気はサポーターによって作られる部分が大きいじゃないですか。だから地道に人数を増やして、応援が解禁されたらスタジアム全体で声を出してチームを盛り立てていけるように。ゆくゆくは試合の流れを見て効果的な盛り立てができるようになりたいんです」
サポーターの声援がチームを盛り立てる。盛り立てられたチームが勝つ。チームが勝つことでサポーターが増える――。コロナ禍で分断されている理想のスパイラルを早く復活させたい。たばさんの本音は、そこにあるように感じる。