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10番も背負う中井卓大はマドリーB昇格という狭き門を突破できるのか。番記者に訊いた“リアル評”「必ずしも歓迎できない状況だ」

カテゴリ:海外日本人

セルヒオ・サントス

2021年10月18日

ラウールが昇格候補と考えているのは心強いが…

10番を背負ってプレーすることもあれば、ベンチスタートの時も。飛び級制により競争は熾烈だ。(C)Mutsu FOTOGRAFIA

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 心強いのは、カスティージャのラウール・ゴンサレス監督がフベニールの招集候補の1人として考えていることだ。マドリーでは将来性豊かなフベニール所属の選手に対し、シーズンを通してカスティージャの試合に出場させる方針が取られている。ナカイもどこかのタイミングでチャンスが与えられる可能性が高い。これは最終テストも兼ねており、ここでアピールに成功すれば、いよいよ昇格の可能性が現実味を帯びてくる。

 カスティージャはトップチームへの登竜門であり、プロへの最短ルートでもある。現に仮にトップチームに昇格できなくても大半の選手が、後にプリメーラ(ラ・リーガ1部)、セグンダ(同2部)、あるいは海外のリーグと環境を変えてキャリアを続けている。
 
 逆に厳しい立場に立たされるのが退団を余儀なくされる選手だ。プリメーラ・フェデラシオンRFEF(2021‐22からこれまでのセグンダBに代わって新設された3部リーグ)でリスタートすることになるが、そこからセグンダ、さらにはプリメーラへとのし上がっていくことは至難の業で、そのままフェードアウトしていく選手が少なくないのが現状だ。

 つまり文字通りのサバイバルだ。とくにナカイが本職とする中盤にはブルーノ・イグレシアスやフレン・ホン・ゲレーロら有望株が揃っており、近年稀に見るハイレベルなポジション争いが繰り広げられている。しかしこの競争に勝ち残らなければ、カスティージャ昇格という狭き門を突破することはできないのだ。

文●セルヒオ・サントス(アス紙レアル・マドリー番)
翻訳●下村正幸

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