【FC東京】データが示すエースの偉大な功績。武藤ロス症候群に陥る危険も

カテゴリ:Jリーグ

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2015年06月28日

第2ステージの初戦、川崎との多摩川クラシコで出す答は?

清水に勝利し、良い形で武藤を送り出したが……。迫りくるクライシスへの対応を考えなくてはいけない。写真:徳原隆元

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 武藤の縦への推進力、圧倒的なスピード、さらに前線からの献身的なプレッシングがなくなっても、FC東京が第1ステージと同じスタイルで戦えるかは疑問だ。裏のスペースを活かすサッカーを実践できたのは、カウンターの終着点となる武藤が存在したからであり、その終着点を失った途端、チームが混乱する恐れは十分にある。
 
 仮にスピードを重視するなら、武藤の憧れの先輩・石川を前線の軸にする選択肢はある。ただ、攻撃はさて置き、このベテランに守備面で武藤レベルのタフな仕事を要求するのは酷だろう。
 
 またポストプレーヤータイプの前田や平山にしても、武藤ほどの局面打開力はない。

 たとえ優秀な助っ人を補強したとしても、戦術に馴染むまでに相応の時間がかかるはずだ。いずれにしても、若きエースの抜ける穴は大きい。
 
 「Jリーグで最高の1年半を過ごした」と笑顔で語った武藤、清水戦の勝利で2位に浮上したFC東京。大団円を迎えたように見えるが、迫りくるクライシスへの対応策を考えなくてはいけない。少なくとも、「よっちのために」をカンフル剤にして戦うことはもうできない。

 第2ステージ開幕(7月11日)まで時間は限られているが、フィッカデンティ監督、そして選手たちは再開初戦──川崎との「多摩川クラシコ」でどんな答を出すのだろうか。
 
 この日の異様なムード(超満員のスタジアム、ごったがえすメディア)を通常の風景にするには、第2ステージの最終節まで覇権争いをする必要があるだろう。内容はともかく勝ち星を積み上げることで、武藤ロス症候群に陥る可能性は低くなる。
 
取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
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