• トップ
  • ニュース一覧
  • 「原動力は悔しさや怒り」日本代表DF中山雄太が最下位に沈むズウォーレで奮闘。東京五輪で掴んだのは「酒井宏樹という基準」【現地発】

「原動力は悔しさや怒り」日本代表DF中山雄太が最下位に沈むズウォーレで奮闘。東京五輪で掴んだのは「酒井宏樹という基準」【現地発】

カテゴリ:海外日本人

中田徹

2021年10月04日

左SB起用に疑問を呈していたテレビの実況も…

左SBのレギュラーとしてプレーした東京五輪での悔しさが原動力になっているという。(C)Getty Images

画像を見る

 中山自身のプレーは決して悪くない。キックオフ直後、テレビの実況はケネット・パールではなく中山が左サイドバックを務めていることに疑問を呈していた。しかし、21分に好クロスからビッグチャンスを作るなど、攻守に持ち味を発揮する日本代表に対して、こうコメントした。

「試合が始まって25分、中山は左ウイングバックとしていい印象を残しています」

 中山は2節前のスパルタ戦で、粘り強いドリブル突破からアシストを記録していた(これがズウォーレにとって今季初ゴールだった)。ヘーレンフェーン戦のプレーを客席から見ていて「東京オリンピックで何かを掴んでオランダに帰ってきたな」と私は感じていた。
【関連動画】2人を抜き去って折り返し!中山がマークした圧巻の今季アシスト

「そうですね」と中山がうなずいた。

「酒井宏樹(浦和)選手という基準ができたのは大きいですね。僕はこれまでいいプレーをしても『そのプレーを基準にしろ』と言われ続けました。その基準が今は酒井選手になりました。その基準を乗り越えたいと思っておます。東京オリンピックは確かに大きかったです。プレーもそうですが、それ(パフォーマンス)に伴って自信を得られた大会でした。加えて、今の僕の原動力である悔しさというものが残りました」
 
 中山の負けず嫌いな一面を、エキシビションマッチで見たことがある。正直言って、勝っても負けでもどうでもいいような試合だったが、敗戦後に心底悔しがって、しばらく声が出なかった。しかし、ヘーレンフェーン戦が終わって1時間近く経った後の彼は気持ちを整えて穏やかに話している。

「負けたことはめちゃくちゃ悔しいです。チーム自体、勝てることができてない。そういったことが全部悔しい。だけど、悔しがっているだけではだめ。僕にとって悔しさや怒りは『パワー変換装置』なんです。怒りと悔しさはマイナスのエネルギーに働きますが、今の僕の中にはそれをポジティブなプラス・エネルギーに変えられるものがあります。だから、今のこういう状態なんだと思います」

 これから日本代表のカタール・ワールドカップ予選、10月シリーズ(サウジアラビア戦、オーストラリア戦)が始まる。まずは完全アウェーのサウジアラビア戦だ。

「僕はいい意味でも悪い意味でもアウェーの怖さを知りません。これまで僕はA代表にコンスタントに呼ばれてきたわけではなく、東京五輪を終えて初めてワールドカップ予選に参加しました。僕自身は、アウェーの怖さを知らないまま突っ走っていければいいと思っています。僕たち(東京五輪世代)ができることは、若さでどんどん駆け抜けられるぐらいの勢いを持つこと。ベテランの選手たちが後ろで手綱を引いているぐらいが、僕はちょうどいいと思っています。

 中国戦は中立国のカタールで試合をして、観客もいませんでした。そういった意味でサウジアラビア戦は楽しみでしかありません。僕自身は9月の代表マッチで出場機会がなかった悔しさがあります。自チームの結果も疎かにはできません。しかし、ネガティブではなくポジティブに自分の課題と成長に向き合えています」

取材・文●中田徹

【PHOTOギャラリー】日本代表戦を彩る美女サポーターたちを一挙紹介
【関連記事】
「トミヤスはCBの選手だろう?」元英代表MFが冨安健洋の起用法に疑問符「トッテナム戦は印象的だったが…」
「シャルケで最も優れた選手のひとり」DF板倉滉の評価が現地で急上昇中! 勝利したインゴルシュタット戦で最高点
「絶対に見返してやる」定位置を奪われたAZ菅原由勢が2アシストを含む3点演出! 本人が明かした“躍動の理由”【現地発】
「ハセベが最高」現地メディアが先発復帰の長谷部誠をMOMに選出し絶賛!「37歳が脅威となった」
「いや、もう凄すぎ」古橋亨梧が抜群の嗅覚で決めた“復活弾”が反響!「飛び込むタイミングが完璧」

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ