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【喜熨斗勝史の欧州戦記|第6回】コロナ禍でも“サッカーを回し始めた”ヨーロッパ各国。腹の底から叫ぶサポーターには迫力が

カテゴリ:ワールド

サッカーダイジェスト編集部

2021年09月28日

サポーターの後押しはサッカーにとって本当に重要なファクターだと再認識した

セルビア代表の一員としてワールドカップ欧州予選に挑んだ喜熨斗コーチ。写真はアイルランド戦を戦ったアビバ・スタジアムでのワンショット。

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 そのひとつが有観客ですね。3月のワールドカップ欧州予選は無観客でしたが、今回初めてお客さんが入りました。ワクチン接種証明書があれば入場可能になりました。

 日本のようにマスク着用義務もなければ声出し禁止もなく、そんななか、マラカナ(スタディオン・ツルヴェナ・ズヴェズダの通称)では腹の底から叫ぶサポーターの迫力を体感しました。アイルランド戦のアビバ・スタジアムは50パーセントほどのお客さんが入っていて、その高揚感からか相手GKが当たりまくっていましたね。

 ウチの選手も慣れていないわけではないですし、ミスター(ドラガン・ストイコビッチ監督)も言っていましたが「試合は支配していた」。でも圧される部分もあったのか、なんでもないシーンでオウンゴールをしてしまいドローになりました。

 カタール戦の会場となったナジェルデイ・シュタディオンもアビバ・スタジアムもピッチと観客席が近く、サポーターの後押しというのはサッカーにとって本当に重要なファクターだと再認識しました。
 
 もうひとつ、クオリティや進化の面で言えば育成年代への取り組みですね。例えばセルビアスーパーリーグ所属のTSCというクラブがあるのですが、そこはハンガリーの外資系会社から資金を調達し、数十億円をかけて育成年代用のスタジアム建設や育成組織を作ろうという動きがあります。

 今後の社会は高齢化社会、少子化社会になっていくことが予想されています。子どもの数が減れば、タレントの数も減少する可能性があります。だからクオリティのある選手を、より徹底的に成長させて、トップレベルを維持、もしくは上げていく考えです。

 そうした動きに触れられるのはセルビアに住んで、欧州サッカーの機敏な反応をリアルタイムで見られているからだと思います。ライセンス問題もあり、なかなか日本人指導者が欧州でコーチ業に従事するのは難しいのですが、選手だけではなく、指導者も海外に出ることは今後の日本サッカー界発展に必要かな、と痛感しています。

 私自身もセルビア代表の仕事をしつつ、時間を見つけて他の欧州国を周遊しようと考えています。よりいろんな国のサッカーを吸収して、個人としてのスキルを上げていく所存です。
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