固定概念に囚われない戦い方を今こそ指揮官には強く求めたい
さしあたって、7日の次戦・中国戦(ドーハ)だが、コンディションの悪い選手よりも、できるだけフレッシュな面々を優先して挑むべきだろう。長距離移動の伴う中4日の連戦に加え、コロナ禍のカタール入国手続きに想像以上の時間を擁し、さらに最高気温40度超の猛暑という三重苦なのだから、オマーン戦と同じ陣容というのは到底困難だ。
南野の回復具合にもよるが、やはり最前線はスコットランドでゴールを量産している古橋を抜擢し、スペースに飛び込ませるような形を作る戦い方へとシフトすべきだろう。
オマーンはラインの上げ下げを巧みにしながらも、要所要所では自陣に引いてブロックを作る戦いをしてきたが、2日の初戦でオーストラリアに0-3で敗れた中国はそこまで守備組織が緻密ではないと見られる。ターゲットマンタイプの選手を入れなくても、機動力あるアタッカー陣が動き回って敵を揺さぶればスペースが生まれてくる可能性が高い。今回は機動力ある古橋に加え、久保建英(マジョルカ)、堂安律(PSV)らフレッシュな人間を組み合わせ、新たな形を模索した方がベターだ。
実際、古橋がスコットランドで得点を量産できているのは、ゴールに近い中央でプレーしているから。オマーン戦の彼は左サイドで後半45分間プレーしたが、1対1で仕掛けたり、クロスを上げるだけでは、鋭い得点感覚を発揮し切れなかった。今の日本代表で最も得点力のある選手を最前線で起用することは、決定力不足に苦悩するチームにとって大きな希望になるはず。森保監督にはぜひともその方向性を真剣に考えてもらいたい。
遠藤航(シュツットガルト)が「1つはシステムを変えてみてもいい」とオマーン戦後に話した通り、3-5-2を導入して、アウトサイドを大きく使いながら、古橋・久保・堂安を流動的に動かすのも一案だろう。この場合、大外にはアップダウンを厭わない室屋成(ハノーファー)や原口元気(ウニオン・ベルリン)を置けば攻守両面が安定する。3バックに慣れた佐々木翔(広島)もいるだけに、意外とそちらの方がハマることも考えられる。そうやって幅広い選択肢を持ちながら戦うしか、長年の課題だった「大迫依存症」を克服する術はないのだ。
困難が重なるなか、挑む中国戦で勝点3を手にできれば、10月のサウジアラビア・オーストラリア2連戦に向けて再び明かりが灯る。だが、逆にここで連敗するような事態となれば、森保監督の進退問題が再燃することは避けられない。そういう泥沼状態を回避するためにも、コンディションのいいメンバーで前線を再構築して新たな勝負に出るべき。ここで躊躇している時間はない。固定概念に囚われない戦い方を今こそ指揮官には強く求めたい。
取材・文●元川悦子(フリーライター)
オマーンはラインの上げ下げを巧みにしながらも、要所要所では自陣に引いてブロックを作る戦いをしてきたが、2日の初戦でオーストラリアに0-3で敗れた中国はそこまで守備組織が緻密ではないと見られる。ターゲットマンタイプの選手を入れなくても、機動力あるアタッカー陣が動き回って敵を揺さぶればスペースが生まれてくる可能性が高い。今回は機動力ある古橋に加え、久保建英(マジョルカ)、堂安律(PSV)らフレッシュな人間を組み合わせ、新たな形を模索した方がベターだ。
実際、古橋がスコットランドで得点を量産できているのは、ゴールに近い中央でプレーしているから。オマーン戦の彼は左サイドで後半45分間プレーしたが、1対1で仕掛けたり、クロスを上げるだけでは、鋭い得点感覚を発揮し切れなかった。今の日本代表で最も得点力のある選手を最前線で起用することは、決定力不足に苦悩するチームにとって大きな希望になるはず。森保監督にはぜひともその方向性を真剣に考えてもらいたい。
遠藤航(シュツットガルト)が「1つはシステムを変えてみてもいい」とオマーン戦後に話した通り、3-5-2を導入して、アウトサイドを大きく使いながら、古橋・久保・堂安を流動的に動かすのも一案だろう。この場合、大外にはアップダウンを厭わない室屋成(ハノーファー)や原口元気(ウニオン・ベルリン)を置けば攻守両面が安定する。3バックに慣れた佐々木翔(広島)もいるだけに、意外とそちらの方がハマることも考えられる。そうやって幅広い選択肢を持ちながら戦うしか、長年の課題だった「大迫依存症」を克服する術はないのだ。
困難が重なるなか、挑む中国戦で勝点3を手にできれば、10月のサウジアラビア・オーストラリア2連戦に向けて再び明かりが灯る。だが、逆にここで連敗するような事態となれば、森保監督の進退問題が再燃することは避けられない。そういう泥沼状態を回避するためにも、コンディションのいいメンバーで前線を再構築して新たな勝負に出るべき。ここで躊躇している時間はない。固定概念に囚われない戦い方を今こそ指揮官には強く求めたい。
取材・文●元川悦子(フリーライター)