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「必然の敗戦」だったオマーン戦。“若い芽の勢い”ではなく“経験値”を信頼した森保監督の目論見は崩れ去り…

カテゴリ:日本代表

加部 究

2021年09月03日

東京五輪を戦い抜いた経験を活かしたかったが

日本はW杯最終予選の初戦でまさかの敗戦。オマーンとは準備期間に大きな差があったが…。写真:金子拓弥 (サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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[カタール・ワールドカップ・アジア最終予選]日本 0-1 オマーン/9月2日/市立吹田サッカースタジアム

 ナショナルチームのレベルは、必ずしも一国のサッカーの力を反映するとは限らない。

 チーム力は選手たちが長く時間を共有するほど高まるが、反面、個々のレベルが上がり海外に散らばるようになれば共有出来る時間は限られるし、コンディション面のハンディは大きくなる。

 実は個の育成に比べれば、ある程度までの代表強化は比較的容易だ。アマチュア時代の日本代表は単独チームのように海外遠征を繰り返していたし、自国開催で初めてワールドカップを制したアルゼンチン(1978年)も、代表選手たちにはリーグ戦を休ませてまで長期の合宿参加を強制した。

 その点で中東勢を筆頭とするアジアのライバル国は有利な立場にある。海外に進出する選手が皆無に近いし、いつでも国内リーグは止められる。今回のオマーンのように、セルビアで1か月間の合宿を組み込む異例の強化策も可能になる。

 当然日本陣営にも、オマーンが万全の準備を施したという情報は入っていた。この一戦の準備に限れば、オマーンの1か月間に対し日本は1日。ただし日本にも大きなメリットがあった。オーバーエイジ(OA)3人を起用したチームで、東京オリンピックを6試合も戦い抜いたという経験である。むしろ「1チーム2カテゴリー」を森保一監督が指揮してきたのは、この貴重な強化試合の成果をワールドカップ最終予選、さらには本番へと繋げることを大前提としていたはずだ。
 
 ところがチーム内にアクシデントが重なったこともあり、五輪代表でスタメン出場したのは皮肉にもOAの3人だけだった。結局指揮官が信頼を置いたのは、スペインやメキシコなどとの激戦を経て伸びていく若い芽の勢いより経験値だった。そして、手堅く勝点を稼ぐはずだったメンバーは、逆に大きくつまずくことになった。

 2005年、テヘランでのアジア最終予選でイランを率いて、ジーコ監督指揮下の日本を下している敵将のブランコ・イバンコビッチ監督は、オマーンでは滅多に遭遇しない雨天に見舞われ、仕方なく戦術的な変更を強いられたという。しかしそれは日本にとって逆風になったかもしれない。

「本来はパスを繋ぐチームだが、守備でリスクを冒せないのでGKからロングボールを多用した」(同監督)ことで、せっかくの涼しい天候にもかかわらず日本の敵陣でのアグレッシブな守備が機能しなかった。

 一方オマーンサイドは、日本の攻撃では1トップの大迫勇也が起点となることも折り込み済みで、CBとアンカーで厳しくプレッシャーをかけた。また3ボランチ気味で中央を締め、トップ下の鎌田大地に振り向く余裕を与えず特長を消した。
 
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