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オマーンはなぜ“ジャイキリ”を起こせたのか? 森保監督の選手選考に想起されるジーコジャパン時代の国内組・海外組論争

カテゴリ:日本代表

佐藤俊

2021年09月03日

オマーンは、1か月前から日本の弱点の抽出と選手の特徴の分析を行なった

試合2日前に集合した選手もおり、全体のコンディションが整わなかった日本代表。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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「狙ったジャイキリ」と言ったらオマーンに失礼だろうか。

 だが、FIFAランキング79位のオマーンが24位の日本に勝ったのだ。しかも、まぐれの勝利ではなく、内容的にも日本をはるかに凌ぎ、点の取り方も素晴らしかった。

 吉田麻也は「負けるべくして負けた」と試合後に語ったが、オマーンからすれば“ジャイキリ”を想定しつつ、「勝つべくして勝った」と胸を張れる勝利だったのではないだろうか。

 日本にとって“ジャイキリ”で思い出されるのは、アトランタ五輪のブラジル戦だろう。世界オールスターチームとも呼ばれたブラジルを破った時、日本代表は「まぐれ」ではなく、ジャイキリを起こす準備を入念にしていた。

 西野朗監督は、分析班とともにブラジルの弱点を探った。ほとんど穴がないチームだったが、唯一、最終ラインの背後にロングボールを入れるとセンターバックとGKの連携にズレがあり、そこに付け入る隙があることを見抜いた。

 実際、その隙を突いて得点すると、あとは攻められまくったが、逆に良いリズムで守備ができていた。ブラジルとの初戦で選手のモチベーションが高く、コンディション調整もうまくいき、よく動けていたのだ。川口能活は好調をアピールするようにスーパーセーブを連発、ブラジルの攻撃をかわし、1-0で勝利した。「マイアミの奇跡」と称され、今も語り継がれる“ジャイキリ”だが、今回はオマーンにそれを見事にやられた。
 
 オマーンは、用意周到だった。

「日本を驚かせよう」「このグループでサプライズを起こそう」と1か月前からセルビアで合宿をこなしてきた。その間、まず手をつけたのがセルビア戦、タジキスタン戦、韓国戦など日本の試合映像を見て、弱点の抽出と選手の特徴の分析だった。

「日本はスモールサイド(少数でのコンビネーションプレー)でのプレーが多く、攻守の切り替えの時にチャンスが生まれることが分かった。引いて守るだけでなく、攻撃のチャンスがあれば、アタッキングサードでチャンスが来たら、積極的に生かそうとした」

 オマーンのイバンコビッチ監督は、日本の弱点のひとつをそう見ていた。

 日本はこの日、トランジションが遅く、攻守が切りかわるところでボールを狙われ、奪われて相手にチャンスを作られた。セカンドボールも後半、ことごとく失い、オマーンに2次、3次攻撃を許し、アタッキングサードでは逆に細かいパスを繋がれて崩された。日本がやりたいことをやられていたのだ。
 
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