非日常の世界をサッカーと掛け合わせてもいい
Jリーグを繁栄させるうえではファン・サポーターの存在も不可欠です。コロナ禍とはいえ、今後も安全対策をしたうえでお客様を迎え入れる体制を作り続ける一方で、スタジアムに来られない方のためにウェブなどで楽しめる工夫もさらにしていかないといけません。
サッカー観戦の醍醐味は、スタジアムの外にもあります。例えばお子さんと一緒にスタジアムグルメ巡りもできたりします。コロナ禍の影響で人数制限など縛りはあるものの、縁日的な要素も含めての興行ですから、楽しみ方は人それぞれですよね。
そもそもスポーツとは何か。その根本的な定義にJリーグを発展させるためのヒントがあると考えています。「出港」という意味のラテン語「デポルターレ」が、「楽しませる、遊ぶ」という意味の古フランス語「デスポッティ」になり、そこから英語の「スポルト」、さらに「スポーツ」と変わりました。要するに、港を出て非日常を楽しむのがスポーツで、そこには遊びの要素が多分に盛り込まれています。
東京オリンピックで注目されたスケートボードやサーフィンは、元々若者たちの間で流行った遊びですよね。なかには中世ヨーロッパの貴族の遊びから派生したスポーツもあります。皆さんが東京オリンピックで目にしたのはいわば非日常の世界なのです。「非日常を楽しむ」がスポーツの原点と考えた場合、“非日常の世界”をサッカーと掛け合わせてもいいと思います。最近発表させてもらった「SPORTS2021×『鬼滅の刃』」(日本野球機構、Jリーグ、B.LEAGUEとアニメ『鬼滅の刃』とのコラボ企画)がいい例ですよね。こうしたイベントを有効活用し、よりスポーツに興味を持ってもらいたいと考えています。
サッカー観戦の醍醐味は、スタジアムの外にもあります。例えばお子さんと一緒にスタジアムグルメ巡りもできたりします。コロナ禍の影響で人数制限など縛りはあるものの、縁日的な要素も含めての興行ですから、楽しみ方は人それぞれですよね。
そもそもスポーツとは何か。その根本的な定義にJリーグを発展させるためのヒントがあると考えています。「出港」という意味のラテン語「デポルターレ」が、「楽しませる、遊ぶ」という意味の古フランス語「デスポッティ」になり、そこから英語の「スポルト」、さらに「スポーツ」と変わりました。要するに、港を出て非日常を楽しむのがスポーツで、そこには遊びの要素が多分に盛り込まれています。
東京オリンピックで注目されたスケートボードやサーフィンは、元々若者たちの間で流行った遊びですよね。なかには中世ヨーロッパの貴族の遊びから派生したスポーツもあります。皆さんが東京オリンピックで目にしたのはいわば非日常の世界なのです。「非日常を楽しむ」がスポーツの原点と考えた場合、“非日常の世界”をサッカーと掛け合わせてもいいと思います。最近発表させてもらった「SPORTS2021×『鬼滅の刃』」(日本野球機構、Jリーグ、B.LEAGUEとアニメ『鬼滅の刃』とのコラボ企画)がいい例ですよね。こうしたイベントを有効活用し、よりスポーツに興味を持ってもらいたいと考えています。
振り返れば、1992年のナビスコカップ(現ルヴァンカップ)、翌93年のJリーグ開幕当時はお客さんの多くがフェイスペインティングをして、またチアホーンを吹いて応援していました。サッカー観戦というよりは、お祭り気分でスポーツを楽しむスタンスだった方々が、この数十年でコアなファンとなりJリーグを支えてくれています。ライト層がいたからこそ、今のJリーグがあるとも言えるでしょう。その意味でコラボ企画は重要です。前述したとおり、ライト層を取り込む作業に没頭する気はありません。ただ、今までサッカーと接点がなかった人たちにもこうしたイベントでJリーグに触れ合う場を提供していく必要はあると考えています。
ピッチの目を移せば、浦和の酒井宏樹選手のように海外で活躍したプレーヤーが日本に戻ってきています。こうした動きは、Jリーグでも高みを目指せる環境があるということを彼らが気づき始めた証と言えるのではないでしょうか。いずれにしても、Jリーグのレベルアップのために我々も不断の努力を重ねていきたいです。
<プロフィール>
村井 満(むらい・みつる)/1959年8月2日生まれ、埼玉県出身。浦和高在学中はGKとして冬の選手権予選にも出場した。早稲田大卒業後、リクルートに入社。そこで執行役員を務めるなどして、14年1月31日、大東和美氏のあとを受けて第5代Jリーグチェアマンに就任し、現在に至る。
取材・構成●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集長)
※本稿は、サッカーダイジェスト9月9日号に掲載された「J’sリーダー理論」の内容を加筆したもの。
【PHOTO】2021年夏に欧州で新天地を求めたサムライたち
ピッチの目を移せば、浦和の酒井宏樹選手のように海外で活躍したプレーヤーが日本に戻ってきています。こうした動きは、Jリーグでも高みを目指せる環境があるということを彼らが気づき始めた証と言えるのではないでしょうか。いずれにしても、Jリーグのレベルアップのために我々も不断の努力を重ねていきたいです。
<プロフィール>
村井 満(むらい・みつる)/1959年8月2日生まれ、埼玉県出身。浦和高在学中はGKとして冬の選手権予選にも出場した。早稲田大卒業後、リクルートに入社。そこで執行役員を務めるなどして、14年1月31日、大東和美氏のあとを受けて第5代Jリーグチェアマンに就任し、現在に至る。
取材・構成●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集長)
※本稿は、サッカーダイジェスト9月9日号に掲載された「J’sリーダー理論」の内容を加筆したもの。
【PHOTO】2021年夏に欧州で新天地を求めたサムライたち