なぜクラブ周辺はポジティブな雰囲気に包まれていたのか?
もちろん最大の元凶は、ジョゼップ・マリア・バルトメウ前政権による放漫経営だ。そこにパンデミックが発生し、財政は破綻状態に陥った。まだデューデリジェンス(企業価値の査定)が行われている最中だが、莫大な負債を抱え、今夏にフリーで獲得した新戦力の選手登録も叶わない。サラリーキャップをクリアしようと余剰人員の整理やキャプテン連中の契約内容の見直しに取り組んでいたが、遅々として進んでいないのが現状だ。
それでもクラブ周辺はポジティブな雰囲気に包まれていた。他でもないラポルタが希望的観測に基づく発信を繰り返していたからだ。だからこそファンは、電撃発表の後も残留を熱望するメッシにすがったラポルタの“ウルトラC”を期待したが、それもつかの間の夢に終わった。
それでもクラブ周辺はポジティブな雰囲気に包まれていた。他でもないラポルタが希望的観測に基づく発信を繰り返していたからだ。だからこそファンは、電撃発表の後も残留を熱望するメッシにすがったラポルタの“ウルトラC”を期待したが、それもつかの間の夢に終わった。
そもそも世界で最も財政が逼迫しているクラブが、市場で最も高額の選手を引き止めることができると考えること自体、土台無理な話だったのだろう。どれだけメッシの忠誠心に頼ったとしても、である。そして“10番”はアディオスを告げ、財政の破綻がファンの士気の失墜、チームの崩壊を招く事態となったのだ。
文●ラモン・ベサ(エル・パイス紙バルセロナ番)
翻訳●下村正幸
※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙のコラム・記事・インタビューを翻訳配信しています。
文●ラモン・ベサ(エル・パイス紙バルセロナ番)
翻訳●下村正幸
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