ストライカーの重要性が浮き彫りとなった
ただ、ここまで振り返っても、この試合だけで日本が今後どうすればよいのかを見つけていくのは難しいものがあります。
グループステージでの戦いのような強度を出すには、やはり海外で日々揉まれる経験も必要でしょうし、様々な経験を積むことで想定内を広げることはできると思います。イレギュラーなことが多くなればそれだけパワーを使うので、いかに想定内で戦えることを増やせるか。
ストライカーの重要性も再確認されました。メキシコ戦では、三笘薫選手が終盤に登場し、個のところで剥がせることは証明できましたし、得点も奪いました。しかしそれまでの決勝トーナメントでは1点が遠く、ゲームプラン通りに進められた準決勝のスペイン戦でも最後の1点が奪えなかった。
今大会に出場していた日本のフォワード陣はみな、献身性もあり、前線からの守備にも貢献し、チームを機能させるうえでは非常に良い働きをしていました。そういう部分は日本人の強みでもあると思いますが、やはりこうした短期決戦では勝負を決められる、結果に直結するような得点を奪える選手が必要です。
そのほかの1対1の強さとか、身体能力の差だとかこれまでもさんざん言われてきたウィークポイントは、今大会でしっかりと戦えていることも示せたからこそ、より得点という部分が浮き彫りになったとも言えます。これは育成のところから求めていかないといけない部分。
ゲームマネジメントの部分も磨いていく必要が間違いなくあると思います。監督からすると、常にベストメンバーで行きたい気持ちはあるものです。でも試合によってそのベストメンバーも変わってくることもある。選手の立場で言えば、自分はどの試合でもベストメンバーに入っていたい気持ちもある。大会を通してトータルのゲームマネジメントも必要でしょう。
緊張感のある戦いをしていかなければそういうことも磨かれていかない。まずは各選手が個々のチームで実力を示して、どんな時間でも、どんな相手でもプレーできるという力をつけるしかないと思います。
グループステージでの戦いのような強度を出すには、やはり海外で日々揉まれる経験も必要でしょうし、様々な経験を積むことで想定内を広げることはできると思います。イレギュラーなことが多くなればそれだけパワーを使うので、いかに想定内で戦えることを増やせるか。
ストライカーの重要性も再確認されました。メキシコ戦では、三笘薫選手が終盤に登場し、個のところで剥がせることは証明できましたし、得点も奪いました。しかしそれまでの決勝トーナメントでは1点が遠く、ゲームプラン通りに進められた準決勝のスペイン戦でも最後の1点が奪えなかった。
今大会に出場していた日本のフォワード陣はみな、献身性もあり、前線からの守備にも貢献し、チームを機能させるうえでは非常に良い働きをしていました。そういう部分は日本人の強みでもあると思いますが、やはりこうした短期決戦では勝負を決められる、結果に直結するような得点を奪える選手が必要です。
そのほかの1対1の強さとか、身体能力の差だとかこれまでもさんざん言われてきたウィークポイントは、今大会でしっかりと戦えていることも示せたからこそ、より得点という部分が浮き彫りになったとも言えます。これは育成のところから求めていかないといけない部分。
ゲームマネジメントの部分も磨いていく必要が間違いなくあると思います。監督からすると、常にベストメンバーで行きたい気持ちはあるものです。でも試合によってそのベストメンバーも変わってくることもある。選手の立場で言えば、自分はどの試合でもベストメンバーに入っていたい気持ちもある。大会を通してトータルのゲームマネジメントも必要でしょう。
緊張感のある戦いをしていかなければそういうことも磨かれていかない。まずは各選手が個々のチームで実力を示して、どんな時間でも、どんな相手でもプレーできるという力をつけるしかないと思います。
一方で、選手たちが日本を背負って戦うという重みも責任感も誇りも、本当にいろんなものを背負いながらあのピッチに立っているのも分かるからこそ、ここで結果論だけを語るわけにもいかない。もちろん様々な検証はこれから必要だと思います。
今回の五輪の試合を経験した選手の経験値はすごく大きい。逆にここに選ばれなかった選手たちは、いろんなものを感じて次は自分がという想いもあると思う。いた選手も、いなかった選手も、この大会を見ていたポジションを争うA代表の選手も。そういう選手たちの反応は今後の楽しみでもあります。
ある程度の結果が出たからこそ、いろんな選手たちの気持ちや行動も大きく変化すると思うし、オリンピックに出場した選手たちだけのものではなく、いろんな選手への影響も大きな大会になったのではないでしょうか。
私自身も大会を通して見ていて、いろんなところで選手の狙いとか、考え方とかつぶさに見られて面白かった。ただ試合を見るだけでなく、自分なりに分析しながら見ることが出来たのは貴重な経験になりました。
教える立場として選手に響くのは、なぜ今オリンピックの試合で勝てたのか、負けたのかを選手に話をするのが一番でした。自分の経験談を話すのもひとつですが、やはり目の前で起こっていることに対して、子どもたちはすごく素直に反応してくれます。
非常に関心も高いですし、オリンピック、その先の日本代表を目標にしている選手たちなので、こういう場があると、選手の目の色も変わりますよね。
また、出た選手たちの経験値や、日本で開催できたこと、コロナ禍、1年延期などいろんなことが今までにない経験だったと思います。
今回の経験を五輪チームだけでなく、日本全体の良い経験にしていければ良いですね。
【著者プロフィール】
市川大祐(いちかわ・だいすけ)/1980年5月14日、静岡県出身。現役時代は日本代表の右サイドバックとして活躍したクロスの名手。1998年に17歳でA代表デビューすると、2002年の日韓W杯でも活躍。アカデミー時代から過ごした清水ではクラブ歴代3位となる325試合に出場した。2016年に現役引退後は指導者の道に進み、現在は清水エスパルスJr.ユースU-15で監督として活躍中。
【東京五輪】男子サッカー 全試合結果&グループステージ順位表
今回の五輪の試合を経験した選手の経験値はすごく大きい。逆にここに選ばれなかった選手たちは、いろんなものを感じて次は自分がという想いもあると思う。いた選手も、いなかった選手も、この大会を見ていたポジションを争うA代表の選手も。そういう選手たちの反応は今後の楽しみでもあります。
ある程度の結果が出たからこそ、いろんな選手たちの気持ちや行動も大きく変化すると思うし、オリンピックに出場した選手たちだけのものではなく、いろんな選手への影響も大きな大会になったのではないでしょうか。
私自身も大会を通して見ていて、いろんなところで選手の狙いとか、考え方とかつぶさに見られて面白かった。ただ試合を見るだけでなく、自分なりに分析しながら見ることが出来たのは貴重な経験になりました。
教える立場として選手に響くのは、なぜ今オリンピックの試合で勝てたのか、負けたのかを選手に話をするのが一番でした。自分の経験談を話すのもひとつですが、やはり目の前で起こっていることに対して、子どもたちはすごく素直に反応してくれます。
非常に関心も高いですし、オリンピック、その先の日本代表を目標にしている選手たちなので、こういう場があると、選手の目の色も変わりますよね。
また、出た選手たちの経験値や、日本で開催できたこと、コロナ禍、1年延期などいろんなことが今までにない経験だったと思います。
今回の経験を五輪チームだけでなく、日本全体の良い経験にしていければ良いですね。
【著者プロフィール】
市川大祐(いちかわ・だいすけ)/1980年5月14日、静岡県出身。現役時代は日本代表の右サイドバックとして活躍したクロスの名手。1998年に17歳でA代表デビューすると、2002年の日韓W杯でも活躍。アカデミー時代から過ごした清水ではクラブ歴代3位となる325試合に出場した。2016年に現役引退後は指導者の道に進み、現在は清水エスパルスJr.ユースU-15で監督として活躍中。
【東京五輪】男子サッカー 全試合結果&グループステージ順位表