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周到だったメキシコの狙い、悔やまれる前田・三笘の起用法…日本はなぜまたしてもメダルを逃したのか?【東京五輪】

カテゴリ:日本代表

元川悦子

2021年08月07日

「守備のバランスが最優先」という原則に囚われているように見えた森保監督の采配

3位決定戦では疲労の色が濃かった遠藤。失点に絡むミスも出てしまった。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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 ここから、森保一監督の「次の手」がなかったのも悔やまれる。

 サッカーにおいて0-2は「一番危険な点差」であり、やりようによっては巻き返しも可能なはず。けれども、指揮官は後半開始時に相馬勇紀(名古屋)を下げ、旗手怜央(川崎)を投入する決断をした。前半を通して最も個の打開力を発揮していた相馬を下げるのは不可解に映ったが、切ったカードが旗手というのもフィニッシャーとしてはやや物足りなさが拭えなかった。後半頭から一気に畳みかけようと思うなら、個で流れを変えられる前田大然(横浜)や三笘薫(川崎)を投入してもよかったのではないか。
 
 だが、森保監督は「守備のバランスが最優先」という原則に囚われているように見えた。旗手は左サイド要員の中で最も守備力が高い選手。安心感は高い。とはいえ、ベンチ7人中5枚がアタッカーという強気の陣容で挑んだ以上、早い段階から攻め、勝ちに行って出てもらいたかった。久保・堂安がゴールから遠ざかっている状況なのだから、なおさらだ。

 56分にライネス(ベティス)が負傷交代を強いられた直後のベガの3点目が生まれる前に攻めのアクションを起こしていたら、何かが違っていた可能性はある。その後の三笘と上田の輝きを見るにつけ、より一層、判断が悔やまれる。

 指揮官の側に立てば、やはり「試合を決めるのは久保か堂安」という確固たる信念があり、彼らに勝負を託す部分が大だったのも分かる。実際、主力とサブの実力差が少なからずあり、選手層の不安を抱えた状態だったのも確かだ。遠藤と田中碧、吉田、酒井らに関しては「絶対に下げられない大黒柱」という位置づけだった。それが日本の足かせになったのも、またひとつの事実と言える。

 2019年アジアカップ(UAE)を振り返っても、森保監督は主力固定が顕著で、最終的には遠藤や大迫勇也(ブレーメン)など中核を担う人間がひとつ、ふたつ欠けてチームが崩れている。今回は3決の負傷離脱者こそいなかったものの、酷暑の超過密日程の6連戦で、中心選手のコンディションが著しく悪かった。でなければ、安定感の遠藤が3失点に絡むミスなど犯すことはなかった。苦しい状況に陥るのはある程度、想定できたのだから、6試合を通して控え選手を有効活用し、3バックや4-3-3への布陣変更を含めて多様な戦い方を見せるようなマネージメントにもう少しトライしてほしかった。
 
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