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【中断明けの青写真|琉球】新加入選手を交えたレギュラー争いが活発。樋口監督の“眼力”にも注目

カテゴリ:Jリーグ

仲本兼進

2021年08月06日

武田の起用法はチームが一段浮上するうえで大きな鍵に

中断明けの予想フォーメーション。※赤字は今夏新加入選手。

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 ただ思えば、昨年も長期離脱を余儀なくされた選手が頻発したなか、本来サイドハーフの田中をSBにコンバートしたことで大きな飛躍を遂げた例もあるように、樋口監督の眼力により既存の選手を再びコンバートすることは十分に考えられる。

 何より琉球は巧みなパスワークが生命線であり、新しく選手を加入させるよりも、これまで一緒にプレーしていた選手と組み合わせたほうがコンビネーションプレーは生まれやすい。攻撃の仕掛けで持ち味が出るタイプの茂木駿佑は、ベガルタ仙台時代にSBでプレーした経験があり、鋭いロングパスやフリーの状態からの仕掛けの部分で堪能さがある。

 両足蹴れる持ち味も相手に引っかけられにくく、強烈なミドルを放つことのできる利点はチームの攻撃力を上げる形となることから、手薄のSBに移る可能性はゼロではない。
 
 また同時に、ヴァンフォーレ甲府からベテランSBの金井貢史を完全移籍で獲得している。やはり攻撃志向の強い選手であり、クロスと高い位置でシュートを狙う姿勢は前線に厚みをもたらす。樋口監督にとっても横浜F・マリノスを指揮した2012年以来となる共闘となり、プレースタイルを熟知しているからこそ愛弟子に望む期待度は高い。

 一方、中盤には浦和レッズから19歳の武田英寿を育成型期限付き移籍で獲得した。正確な捌きとドリブルで運ぶ力、サイドに広がってクロスを放つシーンも見出せることからトップ下でハマる姿は想像できるが、上里と同じ左利きという利点を活かしボランチからゲームメイクする形となれば、昨年ブレイクを果たした小泉佳穂の姿とダブる。パリ世代の至宝の起用法はチームが一段浮上するうえで大きな鍵となるだろう。

 加えて、ブラジル人アタッカーのヴィニシウスも獲得。この中断期間は負傷者を癒す時間に有効利用できることはもちろん、改めて、個人戦術を確認する時間に充て、新加入選手を交えたレギュラー争いを活発化し、高いレベルで融合を図りチームの完成度をアップさせる大事な期間となる。現時点で首位・京都サンガF.C.に勝点4差の4位につける琉球は、昇格に向けて歩みを止めない。

取材・文●仲本兼進

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