世界との差を考えて、今後の糧にしていく必要がある
さらにもう1回後ろのビルドアップから前田がペナルティエリア右でボールを持つシーンが訪れ、セカンドボールからチャンスになりかけたが精度を欠いてスペインボールに。
失点シーンはそのわずか2分後だったが、攻め疲れもあってか日本は前からプレッシャーをかけることができず、自陣に下がりながらの守備を強いられたところでスペインにボールを回された。スペインが狡猾だったのは、ここで攻め急がずに自分たちの呼吸を整えたことだ。
そこから隙を見て右に開いたミケル・オヤルサバルにパスが出ると、対峙する中山とサポートにきた相馬の間にドリブルで割って入る。それを板倉がなんとかカバーして、最後は中山がサイドラインへのクリアに逃れたが、これが失点シーンの伏線になった。バジェホのスローインからオヤルサバルが受けると、田中の対応が一瞬遅れたところを逃さず縦に仕掛ける。
最初はマルコ・アセンシオのマークをしていた中山がスイッチしてオヤルサバルのドリブルコースを切りに行くが、田中もオヤルサバルに行ってしまったことでインサイドのアセンシオが完全なフリーに。
その間、ハビ・プアドとミルがファーサイドにいることで、酒井と吉田麻也がストレッチされた状況で、かなりの範囲をカバーする状況になっていた板倉も一瞬の状況で詰めきれず。アセンシオのシュートはこれまで再三の好セーブを見せてきた谷晃生も届かない左サイドネットの内側に吸い込まれた。
失点シーンに関して要因を考察すると、ボールサイドだけで相馬、中山、田中、さらに板倉も絡み、最終的には遠藤のカバーも間に合わなかった結果で、色々なことが考えられる。そこはロシア・ワールドカップのベルギー戦での失点と同じで、選手、指導者、メディア、ファン・サポーターと様々な視点で語られるべきシーンだと思う。
攻撃側からの視点で突き詰めると、「日本タイム」に決めきれなかった日本と、その直後に生じた隙を逃さなかったスペインという勝負に関わる質の差が浮き彫りになった表裏の現象だった。
失点シーンはそのわずか2分後だったが、攻め疲れもあってか日本は前からプレッシャーをかけることができず、自陣に下がりながらの守備を強いられたところでスペインにボールを回された。スペインが狡猾だったのは、ここで攻め急がずに自分たちの呼吸を整えたことだ。
そこから隙を見て右に開いたミケル・オヤルサバルにパスが出ると、対峙する中山とサポートにきた相馬の間にドリブルで割って入る。それを板倉がなんとかカバーして、最後は中山がサイドラインへのクリアに逃れたが、これが失点シーンの伏線になった。バジェホのスローインからオヤルサバルが受けると、田中の対応が一瞬遅れたところを逃さず縦に仕掛ける。
最初はマルコ・アセンシオのマークをしていた中山がスイッチしてオヤルサバルのドリブルコースを切りに行くが、田中もオヤルサバルに行ってしまったことでインサイドのアセンシオが完全なフリーに。
その間、ハビ・プアドとミルがファーサイドにいることで、酒井と吉田麻也がストレッチされた状況で、かなりの範囲をカバーする状況になっていた板倉も一瞬の状況で詰めきれず。アセンシオのシュートはこれまで再三の好セーブを見せてきた谷晃生も届かない左サイドネットの内側に吸い込まれた。
失点シーンに関して要因を考察すると、ボールサイドだけで相馬、中山、田中、さらに板倉も絡み、最終的には遠藤のカバーも間に合わなかった結果で、色々なことが考えられる。そこはロシア・ワールドカップのベルギー戦での失点と同じで、選手、指導者、メディア、ファン・サポーターと様々な視点で語られるべきシーンだと思う。
攻撃側からの視点で突き詰めると、「日本タイム」に決めきれなかった日本と、その直後に生じた隙を逃さなかったスペインという勝負に関わる質の差が浮き彫りになった表裏の現象だった。
延長戦も久保や堂安を残したほうがよかったのではないかという声はある。それは延長戦に生じたチャンスの数々を振り返ると一理あるものの、代わりに投入されたフレッシュな前田や三好の存在がなければ、おそらく「日本タイム」は訪れなかった。
一番悔しいのは、そこで決め切れなかった選手たちであることは間違いないが、ほぼA代表のスペインをここまで追い詰めたからこそ見えた世界との差を考えて、今後の糧にしていく必要がある。
もちろん大会の総括はまだ早い。3位決定戦で難敵のメキシコを破り、銅メダルを勝ち取って、さらなる成長への課題に向き合っていく。そのためには勝利を引き寄せるゴールが必要だ。
文●河治良幸
【五輪代表PHOTO】U-24 日本0-1 U-24スペイン|スペイン相手に善戦もアセンシオの一撃に沈む。銅メダルをかけてメキシコとの3位決定戦へ
一番悔しいのは、そこで決め切れなかった選手たちであることは間違いないが、ほぼA代表のスペインをここまで追い詰めたからこそ見えた世界との差を考えて、今後の糧にしていく必要がある。
もちろん大会の総括はまだ早い。3位決定戦で難敵のメキシコを破り、銅メダルを勝ち取って、さらなる成長への課題に向き合っていく。そのためには勝利を引き寄せるゴールが必要だ。
文●河治良幸
【五輪代表PHOTO】U-24 日本0-1 U-24スペイン|スペイン相手に善戦もアセンシオの一撃に沈む。銅メダルをかけてメキシコとの3位決定戦へ