「試合の天王山」だったPKのピンチでは…
後半開始直後には「試合の天王山ともいうべき」(岡野)場面が訪れる。日本選手のハンドの反則で、メキシコにPKが与えられたのだ。しかし、ペレダのキックはコースが甘く、GK横山謙三が左に倒れてキャッチした。もっとも、ペレダがPKをどちらに蹴るかは情報を収集済み。チーム全員で観戦したグループステージのメキシコ対ギニアで、ペレダのPKシーンを目に焼き付けていた。
その後も日本は押される時間が長かったが、メキシコのシュートミスにも助けられてゴールを許さない。メキシコ一辺倒だった声援は、いつしか「ハポン(スペイン語で日本)、ハポン」のコールに。終盤には業を煮やした観客が、スタンドからクッションの雨を降らせる始末だった。日本の愚直で粘り強く、フェアなサッカーは、地元ファンさえ味方につけていた。
その後も日本は押される時間が長かったが、メキシコのシュートミスにも助けられてゴールを許さない。メキシコ一辺倒だった声援は、いつしか「ハポン(スペイン語で日本)、ハポン」のコールに。終盤には業を煮やした観客が、スタンドからクッションの雨を降らせる始末だった。日本の愚直で粘り強く、フェアなサッカーは、地元ファンさえ味方につけていた。
当時の再現を期待される6日の3位決定戦について、キャプテンの吉田麻也はスペインとの準決勝に惜敗したあと、「ここまで来たら気持ちの問題。メダルを獲りたいという気持ちが強いほうが勝つ」と、悔しさを抑えて意気込みを絞り出した。2試合連続延長戦のあとだけに、厳しい戦いが予想されるが、ぜひともメダリストになって表彰台に立つ姿を見せてほしい。
最後に、1960年に日本代表と初めて出会って以来、日本サッカーのレベルアップに尽くしてきたドイツ人指導者、デットマール・クラマーの言葉を紹介しておこう。国際サッカー連盟(FIFA)の技術スタッフとしてメキシコで大会を視察していたクラマーは、準決勝でハンガリーに敗れた日本の選手たちにこう言って励ましたという。
「金の色もいいけど、銅もいい色をしているじゃないか」
(文中敬称略)
文●石川 聡
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最後に、1960年に日本代表と初めて出会って以来、日本サッカーのレベルアップに尽くしてきたドイツ人指導者、デットマール・クラマーの言葉を紹介しておこう。国際サッカー連盟(FIFA)の技術スタッフとしてメキシコで大会を視察していたクラマーは、準決勝でハンガリーに敗れた日本の選手たちにこう言って励ましたという。
「金の色もいいけど、銅もいい色をしているじゃないか」
(文中敬称略)
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