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不完全燃焼の1年目を終えた柿谷曜一朗。確かな評価を得ながら起用されなかった理由とは?

カテゴリ:ワールド

中野吉之伴

2015年06月08日

起用されない現状に、来季に向けた選択は?

スイスでの1年目は不完全燃焼に終わった。来季へ向け、柿谷はいかなる選択をするのだろうか? (C) Getty Images

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 もちろん柿谷にしかできないプレーもある。ボールを扱う技術は誰にも負けないし、裏に抜け出すスピードとタイミングは他の選手が簡単に真似できるものではない。ゴール前でのアイデアも豊富だ。しかし、その武器をどうチームで活かせるかが問題だった。
 
 バーゼルは国内で圧倒的な存在感を放つ王者。対戦相手はどこもまずは守備を固めてくる。スペースがないなかでの戦いを余儀なくされる。そのため辛抱強くポゼッションをしながら、タイミングのいいコンビネーションプレーで守備を崩すか、相手を凌駕する個人技で突破口を開くかが求められる。
 
 前線で不用意にボールを失うことは、相手にカウンターチャンスを与えることになってしまう。チームのゲームプランを完全に理解し、勝負どころを見誤らないことが重要になる。
 
 冬のプレシーズンでP・ソウザは柿谷に最適なポジションを見つけようと、2トップへの変更プランも考えていた。スペースがあり、前を向いた状態でボールを持つことができれば、柿谷は輝く。サイドではボールロストが致命的なミスになることもあるが、FWの位置なら取り返しもつく。しかし結局、このプランも幻に終わってしまった。
 
 ビッククラブ初挑戦となるP・ソウザには、不確定要素の高い戦い方を選べなかったという事情もある。「私は結果で測られている。そのための決断をしなければならない」と話していたことがあった。そしてバーゼル攻撃陣には豊富なタレントが揃っている。CFのポジションには、キャプテンのシュトレーラーと急成長を遂げている17歳のエンボロ、サイドには昨季リーグ得点王のガシィと、鋭いドリブルと卓越したフィニッシュワークが持ち味のゴンザレスがいる。
 
 彼らはそれぞれが自分の得意なプレーだけではなく、チームが求めるハードワークで相手を追い込むプレーも高いレベルでこなす。P・ソウザは彼らを選択し、そして結果を残した。主力の欠場時も、自分たちの戦い方を壊さない攻守両面で働ける選手が重宝された。
 
 多くの人に絶賛されるだけの素質を持ちながら、出場機会を得られないジレンマ。バスラーツァイトゥング紙では「柿谷が現在置かれている状況に将来性を見出せなくなり、この夏にクラブを去りたいと言い出しても大きな驚きはない」と見解を示していた。
 
 スポーツディレクターのゲオルグ・ハイツは「柿谷サイドからなんらかのアプローチは受けていない。しかし彼の今の状況が幸せなわけではない」とコメント。シーズンが終了した今、今後に向けての分析が行われるようだ。
 
取材・文:中野吉之伴
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