責任感というかそういう気持ちが芽生えた根幹には、「湘南にとっても、自分にとっても勝負の年になる」という想いが強いです。

　昔は本当に何も考えずにサッカーをやっていました。今考えると、当時のベテラン選手たちがチームの責任とか、勝利の責任とか、バランスとかをとってくれていたのかなと思うようになってきています。そんなベテランの方々がやってくれていたことを今は自分もやっているのかな。

　自分の良さを少し殺してでもチームの為にやらなければいけないこととかも分かってきたのかなと感じていますし、湘南には若手も多い。

　ただ、今の湘南の若い子たちは、僕の若い頃よりも逆にいろいろと考えちゃっている部分もあります。「僕どうしたら良いんですかね」と聞かれ、「若いんだから自分の好きなようにやっていれば良いよ」と責任とかは俺らが負うからといつも言っているのですが…。良いことなのかもしれませんが、それでもいろいろと考えちゃっていますよね。

　チームとしてやるべきことと、自分の良さも出したい部分で迷っているようですが、攻撃は自分の好きなようにやれと、守備の時は決まり事があるからそれだけ守ってやれば良いよと。

　でも僕も若い頃は慣れるまで時間がかかったので、慣れたら普通にできるようになるから気にするなと言っていますが、どうでしょうか。

　シーズンの半分が終わり、チームとしてはできるだけ多く勝点を取るのが目標です。ただ目標としている数字にはまだ届いていないですし、その為にはもっと得点が必要です。前半戦は得点が少なかったので、そのことに関しては責任を感じています。

　湘南では３ボランチを採用していて、ちょっと今までよりも下がり目の位置ですが、それでももっともっと、攻撃にアクセントやアイデアを出していきたい。

　後半戦に向けては、スーパーゴールを重ねているウェリ（ウェリントン）の存在は頼もしい限り。サイドからの攻撃が相手にとって脅威になっていると思います。

　でも、ウェリがスーパーゴールじゃなくて、足で簡単にゴールを入れられるようなボールを運んでいくのが僕らの仕事だと思うので、そういう得点も増やせたら相手にとって止めようがない選手になると思う。

　今季から加入した町野修斗や、３年目の大橋祐紀にも可能性を感じています。大橋のプレーは僕もちょっと参考にしているところもあって、バイタルでターンして、ドリブルでシュートまで行く形など、1人でチャンスを作り出せる選手なので、そういうプレーを僕自身も身につけられれば、もっと脅威になれる。

　確かに全体的に得点数は物足りないかもしれません。正直チャンスの数も少なくない。決定力というのは個人の能力でもあるので、急に点を決めてくれと言っても難しいと思う。だったら、チャンスの数を僕たちで増やしてあげればよいし、もっと決めやすいような状況や、１回のプレッシャーがかからないように何回もチャンスを作ってあげられれば良いだけです。

　湘南のサッカーは、前線からの守備でも結構負担はあるので、得点を決めたからといって、試合に出れるわけでもないですし、点を入れてなくても必要な選手だと思います。チームメートからはゴールを入れてないという不満も出ていないし、誰かが点を決められればというチームなので。

　ここ最近、少し失点が増えているので、まずはそこをみんなで、バイタルをしっかり締めて守るところを守る。攻撃面では、正直僕の出来次第でもっともっと得点が増やせると思う。

　攻撃に関しては、自分自身を見つめて、責任も感じてますし、やれる自信もあるので、後半戦で巻き返していきたいと思います。

※後編に続く（後編は７月28日に公開予定です）

取材・構成●渡邊裕樹（サッカーダイジェストWeb編集部）