入れ替え戦には「連れてきてもらった」という気持ちのほうが強かった。
山田が「力不足」を感じたのはこの試合に限ってのことだけではない。今季のカールスルーエは2位で自動昇格を勝ち取るチャンスが十分にあったが、勝負どころで勝点を積み上げられず、最終的に3位で入れ替え戦に回ることになった。
山田自身にも後半戦は得点がなく、結果を残してチームの勝利に貢献できなかったという思いがある。
「もちろん『たられば』ですけど、後半戦で3、4点取れていれば、チームの勝利に直結して2位で終われたんじゃないかな、という気持ちがやっぱりあるので、個人としてもすごく力不足は感じました」
チームとしても、山田としても1部昇格を勝ち取るにはまだ力が及ばなかったということになる。
もちろん、1部昇格を争うようなチームで先発の座を勝ち取るのも簡単なことではない。移籍初年度で公式戦36試合に出場し、6得点・8アシストを記録。冬には中東クラブから300万ユーロというオファーが届いた。
だが、トットSDがこのオファーを拒否する決断を下すのに、ほとんど時間は必要なかった。この日本人アタッカーが、前半終了時にはチームで最も危険な選手になっていたからだ。
すっかりカールスルーエの主力となった山田だが、自身には中心になったという自覚はなく、むしろこの入れ替え戦には「連れてきてもらった」という気持ちのほうが強かったという。それはチームに暖かく迎え入れてもらい、点が取れなかった後半戦も使い続けてもらったというチームへの感謝の思いだった。
1部で戦いたいという気持ちはもちろん強いが、この試合の前には、チームに恩返しをしたいとさえ感じていたという。だからこそ、昇格してそれを果たせなかった悔しさは大きい。だが、恩返しのチャンスがなくなったわけではない。
現状「オファーがない」という状況で、来季の去就は不明だ。1部へ移籍することになればチームにはお金が残るし、1部での活躍が恩返しにもなるだろう。カールスルーエに残ることになれば、1部昇格を目指す戦いに今季の悔しさをぶつけ、今度こそ昇格を果たせばいい。
いずれにせよ、恩返しの成否は来季の山田のプレーに掛かっているのだ。シーズン最後に経験した悔しさを糧に、さらに成長した山田の姿に期待したい。
取材・文:山口裕平
山田自身にも後半戦は得点がなく、結果を残してチームの勝利に貢献できなかったという思いがある。
「もちろん『たられば』ですけど、後半戦で3、4点取れていれば、チームの勝利に直結して2位で終われたんじゃないかな、という気持ちがやっぱりあるので、個人としてもすごく力不足は感じました」
チームとしても、山田としても1部昇格を勝ち取るにはまだ力が及ばなかったということになる。
もちろん、1部昇格を争うようなチームで先発の座を勝ち取るのも簡単なことではない。移籍初年度で公式戦36試合に出場し、6得点・8アシストを記録。冬には中東クラブから300万ユーロというオファーが届いた。
だが、トットSDがこのオファーを拒否する決断を下すのに、ほとんど時間は必要なかった。この日本人アタッカーが、前半終了時にはチームで最も危険な選手になっていたからだ。
すっかりカールスルーエの主力となった山田だが、自身には中心になったという自覚はなく、むしろこの入れ替え戦には「連れてきてもらった」という気持ちのほうが強かったという。それはチームに暖かく迎え入れてもらい、点が取れなかった後半戦も使い続けてもらったというチームへの感謝の思いだった。
1部で戦いたいという気持ちはもちろん強いが、この試合の前には、チームに恩返しをしたいとさえ感じていたという。だからこそ、昇格してそれを果たせなかった悔しさは大きい。だが、恩返しのチャンスがなくなったわけではない。
現状「オファーがない」という状況で、来季の去就は不明だ。1部へ移籍することになればチームにはお金が残るし、1部での活躍が恩返しにもなるだろう。カールスルーエに残ることになれば、1部昇格を目指す戦いに今季の悔しさをぶつけ、今度こそ昇格を果たせばいい。
いずれにせよ、恩返しの成否は来季の山田のプレーに掛かっているのだ。シーズン最後に経験した悔しさを糧に、さらに成長した山田の姿に期待したい。
取材・文:山口裕平