「名波山雅」初陣は完敗も明らかな変化。浮沈のカギは2つの“前向き”を貫徹すること

カテゴリ:Jリーグ

大枝 令

2021年06月27日

どれだけ不格好であろうと1勝が欲しい

「名波山雅」の初陣となった琉球戦は0-4の完敗。それでも、前方への意識が明らかに強まり、ボランチの山田も「前に何本か良いパスを通せていた」と振り返る。(C)J.LEAGUE

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 そして何より、期待された通り、チームの雰囲気をガラリと変えた。まず明確に改善策を提示しつつ、選手たちとはフランクに接しながら距離を詰めて人心を掌握。外山凌は「一つひとつの話に説得力がある。ミーティングの映像でも今までなかった視点があって、ここから良くなっていくと感じている。前向きに取り組んでいくチームになると思う」と話していた。

 もちろん残留争いを余儀なくされているだけになおさら、目先の勝点は何よりも優先される。ただそれと同時に、2つの意味での「前向き」を貫徹することが浮沈のカギを握ることになるだろう。
 
 まずは前体制と同様かそれ以上に、一喜一憂せずポジティブであり続けることだ。それには「何がきっかけで変わるかといえば、勝利が大きいと思う」と名波監督が言う通り、どれだけ不格好であろうと1勝が欲しい。自身は「連敗しても連勝してもメンタルは変わらない。高揚したり、イライラしたりというのは表わさない人間」だといい、泰然自若としたスタンスの中から突破口を見出したい。

 そして、ピッチ内でも「前への意識」を確実に浸透させることが肝要となる。不要なバックパスは可能な限りチョイスしないことが第一だし、受け手も怖がらずにパスコースに顔を出す必要がある。クサビが入った後の距離感もブラッシュアップしたい。新たなスタイルへの進化を期してスタートしたシーズン。サックスブルーから緑に着替えた新指揮官の下、模索は続いていく。

取材・文●大枝令(スポーツライター)

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