「名波山雅」初陣は完敗も明らかな変化。浮沈のカギは2つの“前向き”を貫徹すること

カテゴリ:Jリーグ

大枝 令

2021年06月27日

「性格的にもどんどん前に進みたいタイプ」(名波監督)

新たに松本を率いることになった名波監督。泰然自若としたスタンスで突破口を見出したい。写真:大枝令

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 地道に日々のトレーニングを積み重ねるしかない――。

 そんな思いを新たにさせられた、「名波山雅」の初陣だった。もちろん高温多湿なアウェーFC琉球の地が試合を難しくさせた要素はあるだろう。ただ、それを差し引いても0-4のスコアは完敗以外の何物でもなかった。

 名波浩監督が求めたコミュニケーションは質も量も表現されていたとは言えず、ディフェンスも後ろ髪を引かれたうえに次々と失点。どれもこれも、一朝一夕での改善は難しいのかもしれない。

 そもそも今季の松本は、ゼロからのスタートだった。ほぼ半数の選手を入れ替え、キャンプ当初は4バックからスタート。その後に3バックへ戻した経緯がある。前半戦は最下位を経験し、そこから3連勝としたものの、以降は今節も含めて8試合勝ちなし(3分5敗)。J1昇格争いに加わるのはおろか、J2残留争いに巻き込まれている。

 連敗中にクラブは柴田峡監督の解任を決断し、後任の選定を本格化。「空気を変えられる方、コミュニケーションを大事にしてチームをまず前向きにしてもらうという部分で適任」(神田文之社長)との判断で、名波氏にバトンを託した。ジュビロ磐田の監督を辞任して以来2年ぶりの現場復帰。就任会見では「性格的にもどんどん前に進みたいタイプ。このチャレンジをしっかり自分の中で受け入れながらやっていこうと決めた」と話していた。
 
 会見と同日の22日から現場に立った名波監督。初日は紅白戦を行なって選手たちの力量を判断し、23日以降はあらかじめ用意していた改善策を処方した。マイボールのスローインをロストしないためのメニュー、ディフェンスで必要以上に後ろを余らせず前に押し出すトレーニング。攻撃面では前方への配球を強く意識付け、3バックの左右がワイドレーンをオーバーラップする動きも手ほどきした。

 実際、琉球戦では前方への意識が明らかに強まっていた。ボランチに高卒2年目の山田真夏斗を抜擢したのも、それに期待してのことだ。本人は失点に直結するミスが出て反省しきりだったものの、「前に何本か良いパスを通せていたし、そこはプラスに捉えたい」。河合秀人も「みんなの前への意識は、間違いなく今までの19試合よりもあると思う」と前向きな意義をくみ取る。
 
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