「シンプルにプレーすることが一番点を取りやすいやり方だと思ったんです」
攻撃の中心として出場した彼は、グループリーグ初戦の南アフリカ戦で決勝ゴールを叩き込むと、同第3戦のイタリア戦では圧巻の2ゴール。グループリーグ突破の原動力となり、16歳の時に誓った思いを見事に表現してみせた。
それまでの過程の中で、彼は自分の絶対的な武器に対する大きな意識変化によって、質の向上に努めた。
「レベルの高い場所で戦うためには、プレッシャーが物凄く速いなかで、効果的なプレーを出来ないといけない。だからこそ、よりシンプルにプレーをしないといけないというか、自分のプレーを工夫しないといけないと思ったんです。自分のプレーやいろんな映像を見返したら、シンプルにプレーすることが、一番点を獲りやすいやり方だと思ったんです」
同年代や近い年代では自慢のドリブルで仕掛けて行けば、なんとか打開できた。しかし、レベルが上がると、1人は交わせても、2人、3人となると、行き詰まったり、重要なフィニッシュの前にパワーを使ってしまい、フィニッシュが弱かったりと、徐々に自分らしいプレーができなくなっていく。そこで大きな壁にぶち当たるのは、ドリブルでの打開を得意とする選手にとって避けて通れない道だ。
堂安も例に違わず、その壁に当たりそうになったが、サッカー小僧の目はすぐに打開策を見出した。