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世界を知る元ビッグクラブ指導者が日本の高校を率いたら… 「ネガティブな言葉が一切ない」指導とは?

カテゴリ:高校・ユース・その他

加部 究

2021年06月19日

Jリーグでも欧州のリーグでも、ハイレベルな試合を保つには…

ホワイトボードを駆使して丁寧に説明するペイトン監督。選手たちの理解度も急速に高まっているようだ。写真提供:相生学院高サッカー部

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 ペイトン監督は、具体的な改善点や意識するべき点を端的に伝えながら勇気を与えている。その結果、自主トレに取り組む選手たちの拘るポイントも変わり、急速に質が高まっているそうだ。

 英国出身で大ベテランの新監督に語ってもらった。
「選手を育成していくのに、高校年代はとても重要です。伝えていくべきことは多岐に渡ります。パワーを増幅し、そのパワーを素早く使いこなせるようにする。左右両方の足を使えて、どちらからでもジャンプを出来るようにする。自分たちと対戦相手、双方のフォーメーションを理解し、ボールへの意思決定を素早く行なえるようにする。それぞれのポジションに異なる役割があり、状況に応じてパスのスピードや距離を正確に蹴り分けられるようにする……」

 一方で質の高いパフォーマンスを続けるには、技術や判断力と同様にメンタルの強さが求められると強調する。
「Jリーグでも欧州のリーグでも、ハイレベルな試合を保つには集中し続けなければなりません。それを成立させるのが負けない精神力、つまりタフなメンタルです。そしてそれを養うには、毎日のトレーニングで高い強度を保ち、良質なドリルに取り組み続けることが不可欠になります」

 相生学院の通信制だからこそ可能なプログラムも気に入っている。
「プロのようなスケジュールを組むことが出来る。柔軟なシステムなので、既にプロにチャレンジできる選手も出てきています。私も素晴らしい環境で、トレーニングや試合に臨みスペシャルな日々を送っています」
 
 同校では空き時間にセミナーを開催したり、地元の人々と交流をしたり多彩な活動を続けており、先日はペイトン監督も選手たちと一緒に名産のタマネギの栽培に汗を流した。短時間で効率的に勉強を進めながら、こうして人としての成長を促すプログラムも組み込んでいる。

 再び上船総監督が言葉を繋ぐ。
「日本ではミスをした選手が、それを引きずりプレーが消極的になってしまう傾向があります。でもジェリーさんは、公式戦でも紅白戦でも一貫してチームが勝つために次のプレーを良くすることだけを考えるように話しています。目の前の試合で全力を尽くし、足りなかったことは終わってからフィードバックすればいい、と。個々の役割が明確になり、紅白戦から実戦並みに勝負に拘ってプレーをしていれば、公式戦を迎えても不安はなくなります。自信のあるテストに臨む時は、緊張ではなくワクワクしますよね? たぶんこれからは公式戦になっても、そんな雰囲気に包まれるはずです」
 
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