悩めるドイツ代表、“死の組”突破のキーマンは22歳のMFだ【現地発】

カテゴリ:連載・コラム

中野吉之伴

2021年06月15日

レーブ監督も「意思の疎通が取れている」と満足気

6月11日に22歳になったばかりのハベルツ(右奥)にレーブ監督(左奥)も期待を寄せる(C)Getty Images

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 大会前最後となったラトビアとのテストマッチはいわば勝って当たり前の一戦だった。結果よりも、誰が誰とどこでどんなプレーを見せるかが注目を集めた。

 そこで得られた最も大きな収穫の一つはトップ下の位置で起用されたミュラーとハベルツが、非常に息の合ったプレーを見せたことだ。

 似たようなタイプを並べて起用することに疑念していた識者は少なくない。だがポジションが被り、同じタイミングで動き出してしまうなど、どちらもパスを欲しがるというようなことがほとんどなかった。

 レーブ監督も「ハーモニーはとてもよかった。ニャブリを含め、非常にいいコース取りができていたし、相手の裏を取る動きも多く見られた。ポジションチェンジを多く繰り返しているにもかかわらず、意思の疎通がしっかりと取れている。彼らがそうした動きをしてくれることで相手守備の前にスペースを作ることができる」と満足顔だった。

 ハベルツ自身も「自信をもって合流してきた。僕らはいいチームだと思うし、ピッチ上ではプレーしやすい」と手ごたえを感じている。現時点ではスタメン争いで頭一つ抜きんでていると言って間違いない。
 
 6月11日に22歳の誕生日を迎えたばかりのFWは、ペナルティエリア内での動きに優れると同時に、相手選手の背中をとるのがうまい選手だ。左右の足で正確なシュートが打て、ヘディングも強い。

 身長がありながらしなやかさもある動きで、味方選手を生かすパスやボールキープも非常に優れている。ドイツサッカー界レジェントの一人元ドイツ代表ギュンター・ネッツァーも「彼は自他共に認めるワールドクラスの選手になれる」とその才能に太鼓判を押す。

 CL決勝でプレミアリーグ優勝クラブのマンチェスター・シティを下したチェルシーのような戦いぶりを、ドイツもフランスやポルトガルを相手にすることができるか。そのカギを握っているのは、ハベルツだ。若きアタッカーが大舞台でどんなプレーを見せてくれるのか。大舞台での本格的なブレイクに注目したい。

取材・文●中野吉之伴
 
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