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　ベルギーがそれこそ数字泣かせなのは、チームの勝率が８割に達しているからだ。優勝候補８か国の比較でも、２位のフランスよりもさらに群を抜いている。

１位　ベルギー　勝率80％　30試合24勝（２分４敗）
２位　フランス　勝率73％　30試合22勝（５分３敗）
３位　イタリア　勝率63％　30試合19勝（８分３敗）
４位　スペイン　勝率60％　30試合18勝（９分３敗）
５位　ドイツ　勝率57％　30試合17勝（６分７敗）
６位　イングランド　勝率57％　30試合17勝（５分８敗）
７位　ポルトガル　勝率53％　30試合16勝（10分４敗）
８位　オランダ　勝率47％　30試合14勝（５分11敗）

　チーム自体の勝率がここまで高いと、選手間の差は出てきにくい。実際に個人勝率100％のCBトーマス・ヴェルメーレン（11試合11勝）を筆頭として、ベルギーのEURO2020登録選手は勝率80％以上が16人に上っている。

　個人勝率がもっとも低いティモティー・カスターニュ（右ウイングバック）でさえ、その数字は71％だ。ちなみにチームの勝率が47％にとどまったオランダには、個人勝率が70％に達した選手はひとりもいない。
 

 　勝率８割とはいっても、どこかに看過できない数字の落とし穴があるのではないか。例えば、攻撃の中心選手がゴールやアシストを記録できなかった試合では、勝率がかなり落ちるというような……。

攻撃的MFのケビン・デ・ブルイネ
・アシストを記録した試合の勝率89％（９試合８勝）
・アシストを記録できなかった試合の勝率70％（10試合７勝）

CFのロメル・ルカク
・得点した試合の勝率80％（15試合12勝）
・得点できなかった試合の勝率75％（８試合６勝）

トップ下のエデン・アザール
・得点した試合の勝率100％（７試合７勝）
・得点できなかった試合の勝率73％（11試合８勝）
・アシストを記録した試合の勝率88％（８試合７勝）
・アシストを記録できなかった試合の勝率80％（10試合８勝）

　デ・ブルイネがアシストを記録できなかった試合と、E・アザールが得点できなかった試合は、勝率がそこそこ落ちている。とはいえ、大幅な下落とまでは言い難い。仮にこの３人全員欠場という緊急事態に陥れば、結果への影響も大きくなるのかもしれないが……。

「特定の誰かひとりに依存していない国のようだとは、ひょっとすると言えるのかもしれませんが……」

　この日の数字は、最後まで寡黙なままだった。

データ参照元「FootyStats」　https://footystats.org/jp/

取材・文●手嶋真彦

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