「嫌いになったわけではないし…」。ようやく胸のつかえがとれた、鹿島サポーターへの感謝のあいさつ。
試合後、興梠は埼玉スタジアムのゴール裏にいた鹿島サポーターのもとへ行き、深々と頭を下げてあいさつをした。浦和の一員になってから、その行為は浦和サポーターへのケジメを示す意味でも自重していた。
「これまでは遠く離れたところからちょっと一礼していただけだった。別に移籍したからと言って鹿島が嫌いになったわけではないし、ずっと応援をしてくれた人たちに、お世話になった感謝を伝えたいとは思っていた」
おそらく興梠がゴールを奪っていたら、そのあいさつはまた持ち越されていただろう。
「何人かの鹿島サポーターが拍手をしてくれた。ブーイングはされなかったので、なにより良かったです」
「自分は周りのたくさんの人によって生かされている」と日頃から語る興梠らしい、自分自身のなかにあったわだかまりに対する、ケジメのあいさつとなった。
もちろん、そこには俺は浦和のために全身全霊を込めて闘うという意思表示も込められていた。ふと漏らした次の言葉が印象的だった。
「でも、やっぱり鹿島戦の時には頑張りたいかな(笑)」
過去ほど昂ぶりはしなかったとはいえ、やはり興梠にとって鹿島戦は、これからも特別な位置付けとなる。彼は浦和のユニホームを着続ける間、一度も鹿島に負けないつもりでピッチに立つはずだ。
「どこからでも点を取れるのがウチの強み。でもエースストライカーと言える選手がいないのはちょっと寂しい状況でもある。自分は一番前でプレーしているわけだから、サイドの選手のほうが得点を取っているというのは問題。でも……まあ、すぐに抜けると思う」
エースになる、という宣言にも受け止められる。そのさり気ない言葉に込められた人一倍強烈な負けん気が、開幕から12試合負けなしでも誰も満足せずに高みを目指す浦和の現在のチーム状況を象徴している。
「これまでは遠く離れたところからちょっと一礼していただけだった。別に移籍したからと言って鹿島が嫌いになったわけではないし、ずっと応援をしてくれた人たちに、お世話になった感謝を伝えたいとは思っていた」
おそらく興梠がゴールを奪っていたら、そのあいさつはまた持ち越されていただろう。
「何人かの鹿島サポーターが拍手をしてくれた。ブーイングはされなかったので、なにより良かったです」
「自分は周りのたくさんの人によって生かされている」と日頃から語る興梠らしい、自分自身のなかにあったわだかまりに対する、ケジメのあいさつとなった。
もちろん、そこには俺は浦和のために全身全霊を込めて闘うという意思表示も込められていた。ふと漏らした次の言葉が印象的だった。
「でも、やっぱり鹿島戦の時には頑張りたいかな(笑)」
過去ほど昂ぶりはしなかったとはいえ、やはり興梠にとって鹿島戦は、これからも特別な位置付けとなる。彼は浦和のユニホームを着続ける間、一度も鹿島に負けないつもりでピッチに立つはずだ。
「どこからでも点を取れるのがウチの強み。でもエースストライカーと言える選手がいないのはちょっと寂しい状況でもある。自分は一番前でプレーしているわけだから、サイドの選手のほうが得点を取っているというのは問題。でも……まあ、すぐに抜けると思う」
エースになる、という宣言にも受け止められる。そのさり気ない言葉に込められた人一倍強烈な負けん気が、開幕から12試合負けなしでも誰も満足せずに高みを目指す浦和の現在のチーム状況を象徴している。