イライラする時もあるけど、準備だけは怠らないように。
――シュツットガルト入団の前にドイツ・サッカーを予習したりは?
酒井「まったくのノータッチでしたね」
――シュツットガルトのチーム状況も?
酒井「いまだから話せますけど、最初は代理人から『前半戦6位のチームだよ』って紹介されて、おっ、強いチームじゃんって思いました。でも、実際に合流してみると、12位だった。その時は話が違うぞって(笑)」
河岸「でも、6位でシーズンを終えたよね」
酒井「そうだよ。結局は6位だった」
河岸「デビュー戦は鮮烈だったよね。ヘルタ・ベルリンにアウェーで5-0」
――ブンデスリーガで手応えを感じたのは、そのデビュー戦で?
酒井「いや、その試合は助けられた部分が多かったです。前半のうちに相手が退場者を出しましたし、味方が5ゴールも奪いましたから。それから同じサイドにいた慎司さん(岡崎)が、いつもボールを受けに来てくれました。そういうのが重なって、なんとかやれたって感じで。
個人的にやれると思ったのは、マインツに4-1で勝ったホームゲームです(1年目の11-12シーズン29節)。チームの2点目をアシストしたし、100パーセントの力を出したら、ブンデスリーガでやれるって。調子が良かったのもあるけど、自分のやりたいことが全部できました」
――その後、酒井選手は4人の監督に師事することになります。それぞれ求められることは違ったはずですが、どう適応していたのでしょう?
酒井「それこそ戦い方はつねに変わりましたから、とにかく監督が言っていること、やりたいことをしっかり頭に入れておこうと。
それから基本的に戦えるヤツは、どんな時も外されません、ドイツでは。ハードワークしながら、アグレッシブにサッカーするのは前提。その中で自分の良さを出そうとしていました」
――もっとも意識していたのは?
酒井「監督の言っていることですね。練習中に他の選手が技術的、戦術的な指摘をされているのを聞き流さずに、しっかりと頭に入れておく。それを自分が体現すると、監督から『そうだ、そういうことだ』と誉められたりしました。
求めていることは何なのか。そこを気にするのが重要です。ミーティングでも、試合でも。監督がやろうとしていることにチャレンジしているって思われたら、少なからずアドバンテージになると思いますよ。
あとは自分が成長した部分、プレースピードを速めて、1対1や球際でアグレッシブにいくことを続けたのが大きかったかと」
――いまは試合に出られない厳しい状況ですが、ステフェンス監督からはどんな言葉をかけられていますか?
酒井「監督からは『昔のお前のプレーが見られなくて寂しい』って言われました。昔の俺にどういうイメージを抱いているか分かりません。ただ、ボールを失う回数が多いとも指摘されたんです。それで、まあ寂しいと。お前がどう思っているか分からないけど、俺はお前に対する物足りなさを感じているって」
――いま、練習で取り組んでいることは?
酒井「監督から指摘された部分、ミスとかボールを失う回数を減らそうと心掛けています。それから距離感、アグレッシブさ。自己分析してみても、そこが少し欠けていたり、以前より少し衰えていますので。自分が足りないと自覚しているところを、監督も同じように見ているのかなと」
――モチベーションの維持は難しくありませんか?
酒井「自分が試合に出ている時に不貞腐れている選手をたくさん見てきました。その時は『なんでそうなるの』って思いましたけど、いまは彼らの気持ちが分かる。ただ、そういう心理状態では良い準備ができません。チャンスが回ってきても、良いプレーができないんです。
だから、準備だけは怠らないようにしています。もちろん、イライラする時はあるし、あってもいいと思うんですよ。そこはひとりの選手であり、ひとりの人間ですから。それをゼロにしようとは考えていません。
ただし、練習で力を抜いたら、試合でも力を発揮できません。そこは意識してやっていますよ」
河岸「ブルーノは以前『日本人が好き』と言っていた。日本人は監督がやろうとしていることをやってくれるって。でも、それができる日本人ばかりだとは思えない。そこまでストイックにやれるのはゴウの武器だと思うし、そういうところをブルーノは評価していた。
(12-13シーズンは)ヨーロッパリーグのベスト16、DFBカップ決勝までも同時に勝ち進んで、半端じゃない試合数だったけど、ゴウはずっと出ていたよね」
酒井「そうだね。Jリーグでも34試合、まるまる出たことはなかった」
河岸「ずっと試合に出るのはしんどかったと思う」
酒井「まったくのノータッチでしたね」
――シュツットガルトのチーム状況も?
酒井「いまだから話せますけど、最初は代理人から『前半戦6位のチームだよ』って紹介されて、おっ、強いチームじゃんって思いました。でも、実際に合流してみると、12位だった。その時は話が違うぞって(笑)」
河岸「でも、6位でシーズンを終えたよね」
酒井「そうだよ。結局は6位だった」
河岸「デビュー戦は鮮烈だったよね。ヘルタ・ベルリンにアウェーで5-0」
――ブンデスリーガで手応えを感じたのは、そのデビュー戦で?
酒井「いや、その試合は助けられた部分が多かったです。前半のうちに相手が退場者を出しましたし、味方が5ゴールも奪いましたから。それから同じサイドにいた慎司さん(岡崎)が、いつもボールを受けに来てくれました。そういうのが重なって、なんとかやれたって感じで。
個人的にやれると思ったのは、マインツに4-1で勝ったホームゲームです(1年目の11-12シーズン29節)。チームの2点目をアシストしたし、100パーセントの力を出したら、ブンデスリーガでやれるって。調子が良かったのもあるけど、自分のやりたいことが全部できました」
――その後、酒井選手は4人の監督に師事することになります。それぞれ求められることは違ったはずですが、どう適応していたのでしょう?
酒井「それこそ戦い方はつねに変わりましたから、とにかく監督が言っていること、やりたいことをしっかり頭に入れておこうと。
それから基本的に戦えるヤツは、どんな時も外されません、ドイツでは。ハードワークしながら、アグレッシブにサッカーするのは前提。その中で自分の良さを出そうとしていました」
――もっとも意識していたのは?
酒井「監督の言っていることですね。練習中に他の選手が技術的、戦術的な指摘をされているのを聞き流さずに、しっかりと頭に入れておく。それを自分が体現すると、監督から『そうだ、そういうことだ』と誉められたりしました。
求めていることは何なのか。そこを気にするのが重要です。ミーティングでも、試合でも。監督がやろうとしていることにチャレンジしているって思われたら、少なからずアドバンテージになると思いますよ。
あとは自分が成長した部分、プレースピードを速めて、1対1や球際でアグレッシブにいくことを続けたのが大きかったかと」
――いまは試合に出られない厳しい状況ですが、ステフェンス監督からはどんな言葉をかけられていますか?
酒井「監督からは『昔のお前のプレーが見られなくて寂しい』って言われました。昔の俺にどういうイメージを抱いているか分かりません。ただ、ボールを失う回数が多いとも指摘されたんです。それで、まあ寂しいと。お前がどう思っているか分からないけど、俺はお前に対する物足りなさを感じているって」
――いま、練習で取り組んでいることは?
酒井「監督から指摘された部分、ミスとかボールを失う回数を減らそうと心掛けています。それから距離感、アグレッシブさ。自己分析してみても、そこが少し欠けていたり、以前より少し衰えていますので。自分が足りないと自覚しているところを、監督も同じように見ているのかなと」
――モチベーションの維持は難しくありませんか?
酒井「自分が試合に出ている時に不貞腐れている選手をたくさん見てきました。その時は『なんでそうなるの』って思いましたけど、いまは彼らの気持ちが分かる。ただ、そういう心理状態では良い準備ができません。チャンスが回ってきても、良いプレーができないんです。
だから、準備だけは怠らないようにしています。もちろん、イライラする時はあるし、あってもいいと思うんですよ。そこはひとりの選手であり、ひとりの人間ですから。それをゼロにしようとは考えていません。
ただし、練習で力を抜いたら、試合でも力を発揮できません。そこは意識してやっていますよ」
河岸「ブルーノは以前『日本人が好き』と言っていた。日本人は監督がやろうとしていることをやってくれるって。でも、それができる日本人ばかりだとは思えない。そこまでストイックにやれるのはゴウの武器だと思うし、そういうところをブルーノは評価していた。
(12-13シーズンは)ヨーロッパリーグのベスト16、DFBカップ決勝までも同時に勝ち進んで、半端じゃない試合数だったけど、ゴウはずっと出ていたよね」
酒井「そうだね。Jリーグでも34試合、まるまる出たことはなかった」
河岸「ずっと試合に出るのはしんどかったと思う」