D・オリヴェイラが見せた表情が今のチーム状態を示唆
川崎戦での黒星から5連敗を喫すると、長谷川健太監督は状況打開のためのモーションを起こす。連敗中の5試合で出場時間がわずか26分に留まっていた髙萩に白羽の矢を立て、彼を中心とした新たな編成で勝負に出たのだった。
その結果、チームは連勝を飾ることになる。なによりパサーとして能力の高い髙萩をトップ下で起用したことにより、自分たちが思い描くスタイルをピッチで表現できると確信したFC東京の選手たちは、自信を取り戻したように見えた。
また、G大阪戦でFC東京が優れていた点は、攻撃を形成する前線の選手のスピードにあった。その差を表わすひとつの例が、両ブラジル人がマーカーを背負った状態でボールを受けた時のプレーだ。
FC東京の助っ人たちはゴールを背にし、しかもマークが付いた状態でボールを受けると、無理なプレーをせずシンプルに出し手に返した。そしてその次のプレーが実に早かった。身体を反転させ前線へと走り込み、スルーパスに備えるのだ。ボールを戻された選手も前線へ飛び出す味方の動きを熟知し、多くの場面においてダイレクトでパスを供給しゴールへと迫るプレーをアシストした。
さらに田川を合わせた4人の攻撃陣は後方からロングパスを受けると、パスセンスに優れた髙萩を軸に手数をかけないパス交換で敵の守備網の突破を目指した。あるいは縦への動きを強く意識した迫力あるドリブルでゴールへと迫った。この攻撃スピードの差がG大阪との決定的な違いであり、勝敗の帰趨を左右することになる。
その結果、チームは連勝を飾ることになる。なによりパサーとして能力の高い髙萩をトップ下で起用したことにより、自分たちが思い描くスタイルをピッチで表現できると確信したFC東京の選手たちは、自信を取り戻したように見えた。
また、G大阪戦でFC東京が優れていた点は、攻撃を形成する前線の選手のスピードにあった。その差を表わすひとつの例が、両ブラジル人がマーカーを背負った状態でボールを受けた時のプレーだ。
FC東京の助っ人たちはゴールを背にし、しかもマークが付いた状態でボールを受けると、無理なプレーをせずシンプルに出し手に返した。そしてその次のプレーが実に早かった。身体を反転させ前線へと走り込み、スルーパスに備えるのだ。ボールを戻された選手も前線へ飛び出す味方の動きを熟知し、多くの場面においてダイレクトでパスを供給しゴールへと迫るプレーをアシストした。
さらに田川を合わせた4人の攻撃陣は後方からロングパスを受けると、パスセンスに優れた髙萩を軸に手数をかけないパス交換で敵の守備網の突破を目指した。あるいは縦への動きを強く意識した迫力あるドリブルでゴールへと迫った。この攻撃スピードの差がG大阪との決定的な違いであり、勝敗の帰趨を左右することになる。
ダブルボランチの青木拓矢と安部柊斗をはじめとしたFC東京の守備陣も、ボールを持ったG大阪の選手を素早くマークし攻撃の糸口を掴ませなかった。守備への高い意識は前線のパワーファイターのブラジル人デュオも例外ではなく、献身的な動きで相手に自由に仕事をさせなかった。ホームチームは攻守ともにタフでダイナミックなプレーを披露し、90分間を支配したのだった。
全選手が闘志を前面に出して戦い、激しい守備と攻撃に転じれば切れ味の鋭いカウンターを繰り出す。FC東京は従来のパワフルなスタイルが復活し上昇気流に乗りつつある。
長所を消され、動きを封じられることによって、肉体的に疲れることさえできずに、不完全燃焼に終わった、あの日の川崎戦。その敗戦から打って変わって、試合後、サポーターに向かって笑顔を見せるD・オリヴェイラには充実した疲労感が見て取れた。彼が見せた表情は今のFC東京のチーム状態を端的に表わしていた。
取材・文・写真●徳原隆元
【J1第15節PHOTO】|D・オリヴェイラの電撃ゴールでFC東京が勝利
全選手が闘志を前面に出して戦い、激しい守備と攻撃に転じれば切れ味の鋭いカウンターを繰り出す。FC東京は従来のパワフルなスタイルが復活し上昇気流に乗りつつある。
長所を消され、動きを封じられることによって、肉体的に疲れることさえできずに、不完全燃焼に終わった、あの日の川崎戦。その敗戦から打って変わって、試合後、サポーターに向かって笑顔を見せるD・オリヴェイラには充実した疲労感が見て取れた。彼が見せた表情は今のFC東京のチーム状態を端的に表わしていた。
取材・文・写真●徳原隆元
【J1第15節PHOTO】|D・オリヴェイラの電撃ゴールでFC東京が勝利