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「本当に41歳なのか?」新天地でも問合せ殺到。移籍のキーマンに聞く!本山雅志とマレーシアサッカー界の現在

カテゴリ:海外日本人

渡邊裕樹(サッカーダイジェストWeb編集部)

2021年05月20日

グラスルーツへのサポートと日本との関わり

プレー時間も徐々に増やし、アシストも既に2本マークしている。(C)Yakult Malaysia

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 シューズの寄附活動のこともあり、グラスルーツにサポートする機会を得ました。始めの頃は、代表チームでもU-18とかU-17とかを中心にサポートして、さらにそこで見つけた才能のある選手をサポートするという流れです。

 2018年の3月には、先の牛島氏を通して、第16回サニックス・カップ国際ユースサッカー大会2018にU-17マレーシア代表チームを出場させていただきました。ボコボコに負けるのを覚悟していましたが、初戦では当時高校サッカー選手権の前年度優勝校だった前橋育英に2-1で勝利したんです。その時のキャプテンで2得点を決めたハディ・ファイヤッド選手(現マレーシアU23代表)が「日本でやってみたい」と強い希望を持ってくれたので、Jリーグへの移籍も会社として全面的にサポートしました。(同年12月に18歳でファジアーノ岡山に加入。2021シーズンはアスルクラロ沼津へ期限付き移籍中)

 我々にとっては彼がマレーシアのサッカー少年の目標というか、アイコンになってほしいという願いがありました。彼のように、マレーシアのサッカー少年が国内リーグのみならず、海外にも挑戦してもらいたいと、そしてハディ選手に続く子供達をサポートしていきたい。そう思っていたのですが、実際にハディ自身が日本のチームに入った時に、全くフィットしなかったのです。

 何がダメなのかをチームの関係者に聞くと、「身長も187センチあって、フィジカル的に良いのだけれど、彼はサッカーそのものが分かっていない。小さい時にそういう指導をされてきてない」と言われたことが一番のショックでした。

 サッカーの戦術という概念がなかったというか、フォワードとしてオフ・ザ・ボールの時にどう動いたらよいか全く理解していなかった、ただフィジカルの強さや高さでガンガン行ってたんです。

 ハディ選手は、日本へ発つ前からマレーシアで日本語学校に通い、また岡山でも家庭教師がついて日本語学習も続けました。今は沼津に移籍していますが、オンラインで日本語の勉強も続け、生活やサッカーに必要なことは片言ながら理解できるようになり会話も上達してきています。監督・コーチの指導をいち早く理解できるようになるためです。また日本語とサッカーの勉強にと漫画の『アオアシ』全22巻も読んでいます。彼には恵まれたフィジカルを活かしたフォワードとして日本で成長して、マレーシア代表で活躍してくれることを祈っています。
 
 現代的なサッカーからは遅れを取っていますが、マレーシアはイギリスの植民地時代もあり、サッカーは歴史が古く、1921年から全国大会となるカップ戦が行なわれていました。

 2004年に今のマレーシア・スーパーリーグが設立されましたが、それ以前に1979年からプロリーグはありました。

 今のサッカー協会やリーグの年配の方々に話をすると、Jリーグ発足前の1988、89年あたりにJリーグ関係者も視察に来たこともあったようで、プロリーグ運営の意見交換をしたという逸話も聞きます。

 今ではJリーグと大きな差もついてしまっていますが、歴史的にはマレーシアのサッカーは古く、昔は強かったみたいで、日本も勝てない時代があったようです。

 しかし、八百長疑惑などもあり、90年代に暗黒の時代があって、2004年にスーパーリーグとして再開されたものの、FIFAランキングもすごく下(153位、4月7日現在)で、後発のタイやベトナムにも差をつけられています。東南アジアで行なわれているスズキカップでは、マレーシア、タイ、ベトナムがいつもしのぎを削っている状況です。

 また、イギリス系の流れから、国民の多くはイングランドのプレミアリーグを観ていて、ラ・リーガやブンデスリーガなどはほとんど話題に上がりません。古い人はリバプールファンで、最近のファンは、マンチェスター・ユナイテッドとかマンチェスター・シティとかチェルシーとか分かれる感じです。最近はリバプールが復権してきて、40、50代のオールドファンが若い人たちと一緒に喜んでいるという状況ですね。
 
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