ユース監督となった柳沢敦が求める“鹿島のアイデンティティ”。そのストライカー育成のアプローチとは?

カテゴリ:Jリーグ

竹中玲央奈

2021年05月12日

FWが意識すべきは“奪った瞬間”のポジション

柳沢監督から鹿島のアイデンティティを叩き込まれる選手たち。伝統は脈々と受け継がれる。写真:竹中玲央奈

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「日々の練習からいろいろとアドバイスをしてもらったり、学べるところがたくさんあります。特に、シュートの技術、動き出しのタイミングや“動き直す”という部分の考え方。最初は1回動き出してボールが出てこなかったら動き直すことが習慣化されていなかったのですが、柳沢さんから指摘されて、意識して取り組めるようになりました」

 この日、中学3年生ながら先発出場し、1ゴールを奪ったU-15日本代表候補FWの徳田誉(鹿島アントラーズつくば)は、柳沢監督からの教えについてそう語る。
 
 中学3年生ながら183cmのサイズがあり、この日も体格負けは全くせずにそのパワフルさで川崎守備陣を苦しめた。“素材感”がある選手は往々にしてオフ・ザ・ボールの動きに欠けることがあるが、柳沢監督の現役時代の代名詞とも言えるこの部分を強化することで、より怖い選手になる気配もある。

「1回ボールが出てこないでそこを止めてしまうと、次もらえるチャンスを逃してしまうし、相手から奪った瞬間、切り替わった瞬間がFWとして一番のチャンス。相手もバランスを崩しているし、背後にもスペースがある。逆にシンプルに受けることもできる。この瞬間、チャンスを逃さないというところと、奪えそうなところでどこにポジションを取るかというのはとても重要ですし、考えさせるようにしています。どうしてもFWとか攻撃的な選手に目は行ってしまいますし、自分自身もFWとしてプレーをしてきたので。そこで見える部分もある。そういう意味では要求、求めるものは多いかなと」

 やはり、自身と同じポジションの選手についての指導や考えに話が及ぶと饒舌になった。

 日本の頂点はもちろん、世界の舞台での経験も多い指揮官が、鹿島の若手に仕込む“ストライカーの流儀”は数年後にどう花が咲くのか。その“答え合わせ”が今から楽しみでならない。何より、ストライカーとしての“勝負の際”の部分について指導を受けられる徳田をはじめとした鹿島ユースのFWたちにとっては、はまたとないチャンスである。

取材・文●竹中玲央奈(フリーライター)
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