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マドリーとCLの物語を自らの手で捻じ曲げたペレス。強気に進めたESL構想の“誤算”とは――【現地発】

カテゴリ:メガクラブ

エル・パイス紙

2021年05月03日

ペレスは何を見誤ったのか?

 ベルナベウとペレスの2人の明暗を分けたのは、サッカーを取り巻く社会環境と時代の潮流へのアプローチの仕方だ。ベルナベウが会長に就任したのは1943年。就任当初、ヨーロッパには第二次世界大戦の影響が色濃く残り、スペインは国際政治の中心から取り残されていた。しかしベルナベウはそうした社会情勢を汲みながら、巧みに政策に反映させ、クラブを成長させていった。

 翻ってフロレンティーノは、今回のELS創設にあたり、サッカーが持つ社会的な意義を軽視していた。いつもの強気の姿勢で臨み、大衆のエネルギーの前に跳ね返されてしまった。
 
 エリートによる、エリートのためのリーグ戦の創設は、拝金主義が横行する現代の時代背景にマッチしている。時代の寵児でもあるペレスは、そうした趨勢を徹底的に取り込む形で計画を推し進め、クローズ型のリーグを創設しようと試みた。彼にとってはサッカー史にその名を刻印する一大プロジェクトだ。ベルナベウの焼き増し品ではない。ペレス自身が創造した作品だ。

 しかしペレスは現状認識を見誤った。自身が率いるのは、他のどのクラブよりもCLを神格化することに寄与してきたマドリーだ。にもかかわらず、そんな由緒あるコンペティションを見捨てた。それはCLの消滅を意味し、ペレスはその首謀者となるところだった。

 ペレスはいうなれば、CLという壁に正面衝突したのだ。そしてその偉大な建造物を当時設立されたばかりのUEFAと協力して建てたのはベルナベウだった。結果的に計画は失敗に終わろうとしている。自らの賭けによって、マドリディスモの間で長年にわたり脈々と育まれてきた物語が大きくトーンダウンすることは避けられないだろう。

文●サンティアゴ・セグロラ(エル・パイス紙)
翻訳●下村正幸

※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙のコラム・記事を翻訳配信しています。
 
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