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【連載】識者同士のブンデス放談「ドイツ人的メンタリティの両面 だからシャルケの内田選手は重宝される」

カテゴリ:ワールド

遠藤孝輔

2015年05月04日

自分のエリアをしっかり守る反面、カバーリングの意識は…。

ドイツ人は総じてカバーリングの意識が高くないという。だからこそ、内田の献身はとりわけ重宝されているのだろう。 (C) Getty Images

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遠藤:瀬田さんはフォルトゥナ・デュッセルドルフのフロントスタッフとしてご活躍中ですが、ピッチ外で感じるドイツ人の特徴的なメンタリティはありますか?
 
瀬田:自分の“テリトリー”を大事にしているところです。自分が受け持っている仕事はしっかりこなす。でも、関係のない他人の仕事を手伝おうとはしない。例えば、日本デスクの設立当初、僕はいろいろな部署に顔を出しては「これをやりたい。あれをやりたい」と提案しましたが、ほとんど全員から明らかに嫌な顔をされましたからね(苦笑)。
 
遠藤:サッカーにも通ずる部分がありそうです。
 
瀬田:そうですね。例えば、ディフェンダーは自分の守るエリアに侵入してきた相手を容赦なく潰します。でも、カバーリングの意識などは極端に低い。そこはお前のエリアだろう、俺に責任はないって感じで。
 
 だからこそ、シャルケの内田選手などは重宝されているんです。自分のエリアをしっかり守りつつ、カバーリングにも精を出して、他の選手をフォローできますから。シャルケがシュートを撃たれる際、内田選手が身体を投げ出しているシーンが目立つのは、彼がそれだけ献身的に戦っている証拠です。
 
 そうした利他的なメンタリティは、ドイツ人にはない日本人の強みと言えるかもしれません。
 
遠藤:集団としてひとつになるのが上手いドイツ人に対し、日本人は周りをサポートする意識が高い。それぞれに良さがありますね。
 
構成・文:遠藤孝輔
協力:瀬田元吾(フォルトゥナ・デュッセルドルフ)

フォルトゥナ・デュッセルドルフ(現ドイツ2部)のフロントスタッフとして活躍する瀬田元吾氏。

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【識者プロフィール】
瀬田元吾
1981年、東京都生まれ。筑波大学体育専門学群を卒業後、群馬FCホリコシなどを経て、05年に単身ドイツに渡る。選手としてプレー後、08年よりフォルトゥナ・デュッセルドルフのフロントスタッフとしての活動を開始。日系企業とのスポンサー契約や大前元紀選手の獲得に貢献するなど、クラブに大きな貢献を果たしている。日本出張時は高校や大学での講演活動に加え、TV出演も。自著に『頑張るときはいつも今』(双葉社)など。
 
遠藤孝輔
1984年、東京都中野区生まれ。05年からワールドサッカーダイジェストEXTRA、07年からワールドサッカーダイジェスト編集部に所属し、ドイツ代表およびブンデスリーガを担当。ニコニコ生放送の「ブンデスリーガチャンネル」でゲスト解説を務めた時期も。ドイツ以外の欧州サッカーにも精通し、日本代表のアギーレ前監督が退任した際、真っ先にハリルホジッチを後任候補のひとりに挙げた。14年に日本スポーツ企画出版社を退社。現在はフリー。
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