【浦和】悲劇の死を遂げた元チームメイトに捧げる、ズラタンの決勝ゴール

カテゴリ:Jリーグ

塚越 始(サッカーダイジェスト)

2015年05月02日

「過去は忘れて、一緒に新しい未来を作ろうじゃないか」

相手の厳しいマークに遭いながらも奪った決勝点。ズラタンは「勝利のメンタリティを身に付けていきたい」と語った。写真:田中研治

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 甲府戦から中2日で迎えた一戦は、ズラタンにとっても「ハードでタフな試合だった」。それでも、彼は元チームメイトの訃報を胸の奥にしまい、赤くスタンドを染めた大観衆の前に立って全力でサッカーができる特別な喜びを噛み締めながら、ピッチを駆け抜けた。
 
「もちろん理想は美しく勝ちたい。でも、こうして泥臭く闘って勝てたことを、僕は誇りに思うよ」
 
 実際に疲れていてもそれを表には見せないタフなストライカーは、これで3試合連続フル出場ですべて勝利に導いた。しかも5節・川崎戦から5試合・3得点と“量産態勢”に入った気配を漂わせている。
 
 そして試合後のヒーローインタビューで彼は、「過去は忘れて、一緒に新しい未来を作ろうじゃないか」と訴えた。
 
 もちろん浦和の「過去」については、把握している。
 
「最近2試合負けて、ふたつのタイトルを(G大阪に)奪われているわけだからね(昨季のリーグ優勝、今季のゼロックス・スーパーカップ)。今回、大きなプレッシャーを受けるなかで臨んだことはよく分かっていた」
 
 だからこそ、スロベニア代表FWはその流れを変えるのが自らの使命であると、役割を大きな全身で受け止める。
 
「ACLを含め、サポーターの方々に悔しい想いをたくさんさせてきてしまったことは理解している。だからこそ、このシーズンが特別なものになる。だからこそ、一緒に未来を作っていきたいんだ」
 
 身長186センチの身体に優しい笑顔を浮かべて、「でも、このチームはもっと、もっと良くなっていける。勝利のメンタリティを身に付けていきたい。常に勝っていけるようにね」と、未来を見据えていた。
 
取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)

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