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「誤審も含めサッカーという時代を生きてきた私は…」。原副理事長が語る“VAR導入の是非”

カテゴリ:Jリーグ

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2021年04月12日

とりあえず今季J1でVARをやってみて、どうなるか。

最終的な判断は主審に委ねられる。VARはあくまでサポート的な役割を担うシステムだ。写真:サッカーダイジェスト

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 VAR導入については、ヨーロッパで今なお賛否が分かれています。分かりにくい、試合進行の妨げになるとか、そういう見解もあります。ゴールラインテクノロジー(ゴールか否かを見極めるシステム)だけ入れて、あとはシンプルに審判3人に委ねようという意見もあるようですが、こうした議論はしばらく続くはずです。

 Jリーグに限れば、ここまでVARは受け入れてもらっている感触があります。選手たちのプレーからも「VARの中で上手くやろう」というスタンスが見えています。もちろん多少なりともストレスを感じる部分はあるはずです。でも、現行のルールでどう勝つかを、監督、選手たちは真摯に考えてくれています。

 とりあえず今季J1でVARをやってみて、どうなるか。1シーズン分のデータを検証できれば見えてくるものがあるはずで、それで来季J2にも導入すべきかの議論も可能になるでしょう。個人的には、J2、J3はアディショナル・アシスタントレフェリー(追加副審。ゴールの判定やエリア内のジャッジの誤りをなくす役割を担う)というやり方を模索してもいいと考えています。いずれにしても、今季のVARの成果を知ることがまずは重要です。
 
 誤審も含めサッカーという時代を生きてきた私は正直、VAR云々に関係なくルールを複雑化したくないです。サッカーの魅力はシンプルで、分かりやすいところです。でも、VARの介入でルールが細かくなってしまうのはもはや避けられない流れ。しばらく様子を見るしかありません。

 ただ、サッカーは基本的にピッチ上のレフェリーが判定をする。そこは今も昔も変わりません。VARはあくまで補助的な役割ということを、ここでは強調しておきたいです。

<プロフィール>
原 博実(はら・ひろみ)/1958年10月19日生まれ、栃木県出身。現役時代はFWで早稲田大、三菱重工などで活躍。日本代表歴(国際Aマッチ)は75試合・37得点。現役引退後、浦和、FC東京の監督を経て日本サッカー協会で技術委員長なども務めた。16年3月にJリーグの副理事長に就任し、現在に至る。

取材・構成●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集長)
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