代表経験が好循環を生み出す名古屋。連勝ストップもFC東京戦で示した確かな前進とは?

カテゴリ:Jリーグ

今井雄一朗

2021年04月04日

気づけば名古屋はスタメンの過半数が代表経験者に

この試合先発した“代表”経験者。左上から時計回りに丸山、米本、中谷、稲垣、柿谷、ランゲラック。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 一方ボランチの稲垣は、29歳での初代表を「緊張している場合ではなかった」として、継続して代表に招集されるためには「代表でもできる部分に関してはあらかじめわかっていた。そこをさらに強みとして大きくしていく作業が必要だなと感じている」と断言した。

 この試合でも、良い意味でいつも通りだった。いつも通りに、ボールを奪い、ピンチの芽を潰し、攻撃になれば味方を活かすべくシンプルで素早いフォローに入り、いつも通りに素晴らしいセントラルMFとしてのクオリティを見せた。

 また、リーグで3得点、代表で2得点、今季ここまでの自身の5ゴール中、4得点を叩き出している中距離シュートは誰もが期待するところ。FC東京戦でもペナルティエリア付近で稲垣にボールが渡ると、1万5035人の豊田スタジアムの観客は明らかにどよめいた。だが、その雰囲気に流されることなく淡々と、確かな強度をもって、稲垣はボランチとしての仕事をこなし続けた。

「自分はグランパスのひとりの選手としてプレーしなければならないという切り替えも大事」

 日本代表に選ばれ、ワールドカップ予選でデビューを果たしても奢りはない。稲垣はその献身性こそが武器だということを、誰よりも理解しているのだ。
 
 後半にはU-24日本代表で躍動した相馬勇紀も交代出場で見せ場を作り、コンディションの良さだけでないゲームビジョンの向上も印象付けた。FC東京は彼がボールを持てば明確に二段構えのマークを置き、その突破力に対する警戒をあらわにしている。

 同時にトップ下として投入された齋藤学との連係も可能性を感じさせ、得意のFKでも惜しい場面をつくった。彼もまた“日本代表”での良い刺激を成長の糧とし、早速その成果をチームに還元しようとしている。

 気づけば名古屋はスタメンの過半数が代表経験者と、現役の代表選手で占められることになった。

 キャプテンの丸山祐市は「(稲垣と中谷の)二人がグランパスのために、代表で教わってきたこと、学んできたことを還元してくれると思う。そういった良いところを周囲も学んで、もっと多くの選手がグランパスから代表に行って、また還元して成長できるようにやっていけば、チームは非常に良い方向に行く。タイトルを獲得できる可能性も高くなる」とこの状況を歓迎する。

 好調のチームにさらなるシナジーをもたらす“現役日本代表”たちは、確かな影響力をピッチで誇示した。連勝は止まっても、名古屋の進化と成長はまだまだ止まりそうにない。

取材・文●今井雄一朗(フリーライター)
 
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