一方、対抗馬として目される青森山田は昨年度のレギュラーが多く残り、春先のフェスティバルでも安定感のある戦いを見せてきた。特に今季は中盤と前線にタレントが揃う。プロ注目の松木玖生と宇野禅斗（ともに３年）が組むボランチは大会屈指の強度を誇る。松木が高い位置で攻撃を組み立て、宇野は後方で攻守に睨みを効かせるなど、両者の補完性も良い。

　最前線に入る名須川真光、左サイドハーフの小原由敬、右サイドハーフの藤森颯太（いずれも３年）は昨年度の選手権でも活躍したプレーヤーで、個人技で局面を打開できる術を持つ。新チームになってからはFW渡邊星来（３年）が台頭し、より迫力のあるアタックが仕掛けられるようになった。新任者が多い最終ラインの選手たちがハイレベルな戦いの中で成長を遂げれば、3度目の優勝も十分可能だろう。

　優勝候補に挙げた柏と青森山田以外は横一線。どのチームが上位に顔を出しても不思議ではない。昨季にプレミアリーグ関東を制した横浜FCユースは杉田隼、山崎太新（ともに３年）の世代別代表コンビを中心にまとまっており、初のプレミアリーグで上位進出を狙えるチーム。清水ユースは昨季からレギュラーを張る千葉寛汰（３年）らの上級生に加え、下級生が台頭。中３からユースでプレーする田中侍賢や技術力に定評がある星戸成（ともに１年）らが結果を残せれば、チーム力はさらにアップする。

　2018年度以来となるプレミアリーグに挑むFC東京U-18は司令塔の梶浦勇輝、SBで存在感を示す大迫蒼人（ともに３年）らが軸で、4年ぶりに大会を制する可能性も十分。C大阪U-18などで指導に当たった大熊裕司新監督が就任した横浜F・マリノスユース、FW山崎倫（３年）とFW前澤拓哉など前線にタレントを擁する大宮アルディージャU18も上位を狙う力はある。

　一方、市立船橋や流経大柏は伝統の勝負強さでJクラブに挑む。昨季のレギュラーがほとんどいない点は不安材料だが、公式戦を通じて成長を加速させていけば上位進出も見えてくるはずだ。

　シビアなゲームを経験していけば、チーム力が高まるだけではなく、大化けする選手が現われたとしても不思議ではない。まだ見ぬ才能の台頭も含め、プレミアリーグEASTの戦いに注目が集まる。

取材・文●松尾祐希（フリーライター）

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