最前線の支柱が終盤の粘りを生み出している。
鳥栖のCFは華麗ではない。器用にポストプレーをこなしつつ、鮮やかなコントロールショットで先制点を決めた柏のレアンドロと比べれば一目瞭然だ。それは自身が一番理解している。しかし、泥臭く戦えるストライカーという面では、今の日本に豊田以上の存在はいない。
守備のスイッチを入れるフォアチェックを怠らず、屈強な相手CBとの空中戦で身体を張る。今季は縦に急ぐチームの戦い方のあおりを受けるように、クロスからのヘディングという得意の形が減っているものの、少ない好機をモノにする決定力は健在だ。だからこそチームメイトは、背番号11を信用してボールを預ける。
そしてなにより、豊田は決して諦めない。鳥栖はどんな試合展開でも試合終盤の粘りが特長のチームだが、それを誰より体現するのが豊田だろう。虎視眈々とゴールを狙い、前線からのプレスで懸命に汗を流す姿は、90分間途切れることがない。むしろ、体力的に本来苦しい時間帯のはずの残り10分間のほうが、より足が動いていたような感想すら抱かせる。
本人は「僕がどうこうというより、70分、80分以降は鳥栖の時間帯だと思っているし、そこで上回って何度も得点してきた」とあくまでチームありきの姿勢を強調するが、誰ひとり最後まで手を抜かず勝利に向かえるのは、最前線に頼れる支柱が立っているからこそ。その安心感と期待感が、サポーターをも巻き込んで“粘り”を生んでいくのだ。
「終盤は間違いなく相手を上回った。だからなおさら悔しいです。そこで仕留め切りたかった」
ひと一倍強い責任感を持つ絶対的エース。その背中には、多くの物がのしかかっている。
取材・文:増山直樹(サッカーダイジェスト編集部)
守備のスイッチを入れるフォアチェックを怠らず、屈強な相手CBとの空中戦で身体を張る。今季は縦に急ぐチームの戦い方のあおりを受けるように、クロスからのヘディングという得意の形が減っているものの、少ない好機をモノにする決定力は健在だ。だからこそチームメイトは、背番号11を信用してボールを預ける。
そしてなにより、豊田は決して諦めない。鳥栖はどんな試合展開でも試合終盤の粘りが特長のチームだが、それを誰より体現するのが豊田だろう。虎視眈々とゴールを狙い、前線からのプレスで懸命に汗を流す姿は、90分間途切れることがない。むしろ、体力的に本来苦しい時間帯のはずの残り10分間のほうが、より足が動いていたような感想すら抱かせる。
本人は「僕がどうこうというより、70分、80分以降は鳥栖の時間帯だと思っているし、そこで上回って何度も得点してきた」とあくまでチームありきの姿勢を強調するが、誰ひとり最後まで手を抜かず勝利に向かえるのは、最前線に頼れる支柱が立っているからこそ。その安心感と期待感が、サポーターをも巻き込んで“粘り”を生んでいくのだ。
「終盤は間違いなく相手を上回った。だからなおさら悔しいです。そこで仕留め切りたかった」
ひと一倍強い責任感を持つ絶対的エース。その背中には、多くの物がのしかかっている。
取材・文:増山直樹(サッカーダイジェスト編集部)