24日夜の「マインツ×シャルケ」日本人対決は“お預け”… 岡崎、内田を取り巻く現状は?

カテゴリ:ワールド

中野吉之伴

2015年04月24日

内田の怪我に関するシャルケと日本代表の意見の食い違いは、1年以上に渡って続く。

内田の復帰時期はいまだ流動的。今シーズンは残り5試合だが、ピッチ上でその姿を見る機会はあるだろうか。(C) Getty Images

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 一方シャルケではドルトムントとのダービー後、内田篤人の名前がスタメンから消えていた。この試合で失点に絡んだために、監督のロベルト・ディマッテオの逆鱗に触れたとか、システム変更の煽りを受けて居場所を失ったといった推測がされていたが、システムを4バックに戻し、息の合ったプレーを見せるジェフェルソン・ファルファンが復帰して以降も、指揮官は一貫して内田ではなく、キャプテンのベネディクト・ヘーベデスを右SBで起用している。結果が出れば何も言われなかっただろうが、シャルケはここ5試合連続で未勝利と調子を落としており、「なぜ内田を起用しないのか」という声も大きくなってきていた。
 
 デアベステン紙(オンライン)によると、17日に監督のディマッテオは内田が数か月前から膝蓋腱炎の痛みに悩まされていることを明かした。スポーツディレクターのホルスト・ヘルトは「この怪我の経験があるものは分かると思うが、痛みが日によってぜんぜん違うんだ」とコメント。練習メニューをすべてこなし、試合に出場できる時もあれば、痛みが大きくなり欠場を余儀なくされる時もある。ディマッテオは「この問題を抱えているために序列が下がってしまった」と明かした。
 
 問題点として日本のドクターと治療の方向で見解が一致していないことが挙げられている。ヘルトは「我々としては、今回はオペをせずに治療したほうが良い結果が生まれると確信している。しかし3月下旬に代表に招集されて出場もした。これは良くなかった。向こうからはオペを進められているが、我々としてはそれは避けたい」と話している。
 
 この問題に関して、シャルケと日本サッカー協会との意見の相違はすでに1年以上前から続いているとデアベステン紙は指摘している。2014年2月初旬のハノーファー戦で、内田は肉離れで離脱。シャルケは日本での治療を許可したが、オペを勧めるシャルケに対し、日本のドクターはオペ回避を強調したとされている。
 
 しかし回復は遅れ、結局シーズン終了までピッチに姿を見せることはなかった。一方でブラジル・ワールドカップには間に合い、すべてのグループリーグの試合に出場している。
 
 平行線をたどる状況を変えるべく、シャルケは他の専門家の意見を聞くためにミュンヘンへ足を運んだ。ヘルトは「我々は第3者の意見を聞こうと思い、ミュンヘンのドクター・ミュラーボルファールト(ドイツ代表チームドクター)の診療所を尋ねることにした。彼も我々と同じで、手術は避けるべきだという考えだった。ただし10日間練習を休ませることを推奨していた。その後復帰すべきかどうかを見てみるつもりだ」と話していた。
 
 ディマッテオは「内田は非常に重要な、良い選手だ。できる限り早くトップフォームに戻ってくれることを祈っている」と話していたが、その思いはファンも同じだろう。痛みから解放され、右サイドを疾走する内田の姿をまた早く見たい。
 
文:中野吉之伴
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