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「日本人選手が挑戦しやすいクラブを欧州につくりたい」シント=トロイデン買収の真実――【STVVの野望】

カテゴリ:連載・コラム

ワールドサッカーダイジェスト編集部

2021年02月05日

買収成功の裏側にはある日本人選手の存在が…

18年12月からシント=トロイデンのCFO(最高財務責任者)を就務める飯塚晃央氏。管理部門の責任者として、予算・キャッシュフロー表や契約書の作成はもちろん、人事などにも携わっている。© STVV

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 それでは、なぜ買収先としてベルギーのシント=トロイデンを選んだのか。「外国人枠の制限が実質なく、25歳以下の選手獲得に対する税金還付がある、いわゆる“ステップアップリーグ”のクラブが条件でした。地理的にスカウトが来やすく、外国資本に対する障壁も低いという理由からベルギー、ポルトガルとオーストリアのクラブに候補が絞られました」とクラブ広報は語る。

 現地では、山形を中心に買収についての交渉が進められた。当初はベルギー・リーグの他のクラブが有力候補に挙がっていたが、交渉は難航した。途中からはFC東京の強化部で働いていたアンドレ・ピント(現シント=トロイデンSD)も加わり、現地クラブとのハードなやり取りが続く。

 そんななか、あるクラブのオーナーが売却の意思を示しているという一報が入る。それがシント=トロイデンだった。

 オーナーを務めていたローランド・ドゥシャトレは、現在もホームスタジアムの「スタイエン」を所有するベルギー屈指の資産家として知られる。当時はシント=トロイデンのほかにも、イングランド3部のチャールトンなど欧州各国に複数のサッカークラブを保有していた。

 ドゥシャトレは以前からシント=トロイデンの売却を視野に入れていた。ただ、愛する地元クラブだけに思い入れも強く、引受先探しには慎重だった。中国や中東の資産家からもいくつか打診はあったが、信用に値しないという理由で断りを入れていたのだ。
 そんなときに耳にしたのが、DMMからの関心だった。ドゥシャトレは喜びを露わにしたという。過去にも何度か日本企業とビジネスで関わった経験があり、以前から日本に好印象を持っていたからだ。

 さらに、ドゥシャトレがスタンダール・リエージュでオーナーを務めていた時期(11~15年)に同クラブに在籍していた川島永嗣(現ストラスブール)の人柄に感銘を受け、日本人にも好感を持っていた。

 交渉は順調に進んだ。しかし、合意まであとわずかに迫ったところで、思わぬ事態が起こる。商談中のビジネスライクな対応がドゥシャトレを激怒させ、交渉は白紙に戻されてしまったのだ。

 ドライなビジネスマンにシント=トロイデンを引き継がせたいのではなく、愛するクラブを発展させ、地域を盛り上げてくれる人たちに売却したいというドゥシャトレの考えを理解したアンドレと山形は、その後ビジネスだけでなく世間話や深いサッカーの話をすることで信頼を回復し、再び交渉の席に着いてもらうことに成功した。

 こうして17年11月15日、DMMグループはシント=トロイデンの買収に成功。約1年半前に立石が語った夢物語を実現させたのである。(文中敬称略)

※『ワールドサッカーダイジェスト』2021年1月7日号より転載・加筆
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