「彼のため、クラブのため、しっかりと話し合っていきたい」(大金社長)
仮に武藤が海外移籍を本気で考えているのなら、このシチュエーションはむしろ良い試練だ。周囲の雑音に呑み込まれ、本領を発揮できないようなら、その程度のレベルの選手ということになるだろう。
欧州のビッグクラブでプレーするプレッシャーは半端ではない。フットボールにとことん目の肥えたイングランド人の記者たちが、“サッカー後進国”の日本からやってきた選手を見る眼は相当厳しいはずだ。
言葉の壁もある異国で成功を収めるにはやはり、テクニック、強さといった本質的な要素のほかに、メディアの取材攻勢に左右されないメンタルタフネスも不可欠。その精神力を鍛えるうえで、この喧騒は打ってつけのシチュエーションではないか。
もちろん、ここからJリーグで結果を出し続けたからといって、メンタルが強くなる保証も、異国のリーグ戦で活躍できる保証もない。そもそも良い試練と捉えること自体が間違いなのかもしれないが、それでも──。
サッカーに集中できそうにない状況でも自身の持ち味を発揮できれば、間違いなく自信にはつながる。選手としてひと皮剥けるかという意味でも、武藤の今夏までのパフォーマンスは非常に重要になる。
――◆――◆――
4月9日 小平グランドにて
チェルシーからのオファーに関するコメント
●マッシモ・フィッカデンティ監督
「(チェルシーからのオファーは)非常に嬉しいニュースです。FC東京で働くすべての人たちにとってポジティブなことだと思っています。
(決断するまでに)時間はありますから、しっかりと状況を見極めてほしい。まだまだ試合もありますし、彼には集中してリーグ戦に臨んでもらいたいです。クラブの姿勢として、昨日はっきりと情報を開示して彼に良い環境を作ったというふうに思います。
お互いの立場(マスコミと監督)というものも分かっていますから、今日こうしてしっかりと皆さんの質問にも答えていますが、ただ、やはりある時点からは私たちの現実はJリーグになりますから、そこに集中しなければいけない時が来ると思います」
●大金直樹社長
「情報が錯そうし、いろんな問い合わせがある状況だったので、チェルシーからのオファーがあるということを(昨日、一部のメディアに)伝えました。
ただ、条件や行くか行かないかなど、そのあたりはまだ白紙で、これから彼としっかりと話していくことになります。オファーが来たのは3月上旬ぐらいです。
武藤には代理人がいないので、クラブに直接レターで来ました。そういうオファーが来て、私もクラブも驚いています。
クラブの基本路線としては、やっぱりFC東京でやってほしい。これはもうファン・サポーター、私も望んでいます。
ただ、彼としっかりと話をしていきたいというのが、正直なところです。ですので、前向きとか絶対に行かせないぞとか、そんなことは思ってなくて、本当に彼のため、クラブのため、しっかりと話し合っていきたいというのが今の考えです。向こうの希望は、今年の夏での獲得です」
文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
欧州のビッグクラブでプレーするプレッシャーは半端ではない。フットボールにとことん目の肥えたイングランド人の記者たちが、“サッカー後進国”の日本からやってきた選手を見る眼は相当厳しいはずだ。
言葉の壁もある異国で成功を収めるにはやはり、テクニック、強さといった本質的な要素のほかに、メディアの取材攻勢に左右されないメンタルタフネスも不可欠。その精神力を鍛えるうえで、この喧騒は打ってつけのシチュエーションではないか。
もちろん、ここからJリーグで結果を出し続けたからといって、メンタルが強くなる保証も、異国のリーグ戦で活躍できる保証もない。そもそも良い試練と捉えること自体が間違いなのかもしれないが、それでも──。
サッカーに集中できそうにない状況でも自身の持ち味を発揮できれば、間違いなく自信にはつながる。選手としてひと皮剥けるかという意味でも、武藤の今夏までのパフォーマンスは非常に重要になる。
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4月9日 小平グランドにて
チェルシーからのオファーに関するコメント
●マッシモ・フィッカデンティ監督
「(チェルシーからのオファーは)非常に嬉しいニュースです。FC東京で働くすべての人たちにとってポジティブなことだと思っています。
(決断するまでに)時間はありますから、しっかりと状況を見極めてほしい。まだまだ試合もありますし、彼には集中してリーグ戦に臨んでもらいたいです。クラブの姿勢として、昨日はっきりと情報を開示して彼に良い環境を作ったというふうに思います。
お互いの立場(マスコミと監督)というものも分かっていますから、今日こうしてしっかりと皆さんの質問にも答えていますが、ただ、やはりある時点からは私たちの現実はJリーグになりますから、そこに集中しなければいけない時が来ると思います」
●大金直樹社長
「情報が錯そうし、いろんな問い合わせがある状況だったので、チェルシーからのオファーがあるということを(昨日、一部のメディアに)伝えました。
ただ、条件や行くか行かないかなど、そのあたりはまだ白紙で、これから彼としっかりと話していくことになります。オファーが来たのは3月上旬ぐらいです。
武藤には代理人がいないので、クラブに直接レターで来ました。そういうオファーが来て、私もクラブも驚いています。
クラブの基本路線としては、やっぱりFC東京でやってほしい。これはもうファン・サポーター、私も望んでいます。
ただ、彼としっかりと話をしていきたいというのが、正直なところです。ですので、前向きとか絶対に行かせないぞとか、そんなことは思ってなくて、本当に彼のため、クラブのため、しっかりと話し合っていきたいというのが今の考えです。向こうの希望は、今年の夏での獲得です」
文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)