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【フットボール最前線】インテンシティの上昇がもたらした変化――トレーニングメソッドからチームマネジメントまで

カテゴリ:ワールド

片野道郎

2015年04月07日

トレーニングの負荷をモニタリングするテクノロジーの発達。

ボールを使ったメニューだけでトレーニングを組み立て、そこにフィジカル、技術、戦術すべての要素を入れ込んでいく「統合型トレーニング」が現代の主流だ。 (C) Getty Images

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 トレーニングメソッドに関して、最近主流になってきているのは、ボールを使わないフィジカルトレーニングを廃して、ボールを使ったメニューだけで毎日のトレーニングを組み立て、そこにフィジカル、技術、戦術すべての要素を入れ込んでいくという「統合型トレーニング」のアプローチだ。
 
 試合において高いインテンシティでプレーするためには、毎日の練習でもそれを繰り返すことが必要だ。そのために練習時間は短く、強度は高くというのが最近のトレンドになっている。
 
 例えば狭いスペースでの2対2や3対3を短いインターバルで反復するといった高強度のメニューは、高いインテンシティを維持するためには不可欠だ。
 
 しかしその一方では、限界ギリギリまで身体を追い込むことになるため、そこから十分な回復が行なわれていない状態でまた追い込んでいくということを繰り返していくと、どこかで筋肉が負荷に耐えられなくなって損傷するリスクも避けられない。
 
 インテンシティの高さと故障リスクのバランスをどこで取るかというのは、どの監督にとってもトレーニングメソッドの探求とトレーニングメニューの構築において、きわめて重要なテーマになっている。
 
 それと関連して近年とくに発達してきたのが、トレーニングの負荷をモニタリングするテクノロジーだ。プロのトップレベルでは、いまや試合はもちろん、毎日の練習においても選手一人ひとりがGPSチップを身につけて、運動の距離、軌跡、スピードからジャンプや急加速、急減速、方向転換といった筋肉に高い負荷をかける高強度の運動の頻度、さらにはその時々の心拍から出力(ワット)や消費エネルギー(キロジュール)まで、あらゆるフィジカルデータを記録しモニターするシステムが普及・定着している。
 
 こうしたテクノロジーが本格的に普及したのは、ここ6~7年のこと。それまでは、ボールを使ったトレーニングでフィジカル的にどれだけの強度、どれだけの負荷がかかっているかは、把握のしようがなかった。
 
 それもあって、負荷や強度を計算できるボールを使わないトレーニングでフィジカル面を強化し、技術・戦術のトレーニングはそれとは別に行なうというアプローチが主流になっていた。
 
 しかし現在は、ボールを使ったトレーニングでもフィジカル的な負荷、強度をリアルタイムで把握できるため、そのデータに基づいて毎日のトレーニングメニューやその負荷(長さとインターバル)を細かく調節することが可能になった。
 
 それを通じて、高いインテンシティでのプレーを支える高強度のトレーニングを主体にしつつ、負荷をコントロールして故障のリスクを最低限に抑えるという作業を、監督・コーチは日常的に行なっているのだ。
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