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【バイタルエリアの仕事人】vol.1 遠藤保仁|稀代のゲームメーカーが“賢い”と唸る名手たち。なぜ彼らは輝けるのか?

カテゴリ:連載・コラム

長沼敏行(サッカーダイジェストWeb編集部)

2020年12月12日

「バイタルエリアは言ってみれば、リスクを冒せる場所。力を発揮するには…」

バイタルエリアを主戦場とする名手として遠藤も名を挙げるラモス瑠偉。誰もが認めるピッチ上のアーティストだろう。写真:サッカーダイジェスト

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 プロ23年目を迎えた遠藤にとって、バイタルエリアで輝きを放っていた選手といえば誰なのか? そんな質問をぶつけてみた。返ってきた答えは――。そして、遠藤が考える「バイタルエリア」で輝くための条件とは?

――◆――◆――

 バイタルエリアで活躍していた選手というと、昔で言えばラモス(瑠偉)さんだったり、ジュビロで言えば、名波浩さんや藤田俊哉さんなどが思い浮かびます。やっぱり、ボールを持たれたら嫌だなという選手だし、そういう選手は賢い選手だなと思うんです。

 それこそ、一緒にやってきた選手で言えば、本田(圭佑)や香川(真司)、中村俊輔、中村憲剛という選手たち。頭でサッカーを考えながら、それをプレーで実行できる選手は、相手として対戦する時は嫌だなと思いますね。

 逆に味方であれば心強いし、バイタルエリアでより力を発揮する選手というのは、必ずチームの中にいるので、もし同じチームなら、いかにそういう選手にいい状態でボールを渡すか、というのを常に考えていますよ。

 バイタルエリアで力を発揮するには、ミスを恐れずに楽しくやることが大事なのかなと思いますね。バイタルエリアは言ってみれば、リスクを冒せる場所なので。リスクを冒す勇気とミスを恐れないで、相手にとって分かりづらいというか、読めないプレーをすること。何をするか分からないような選手というのが相手には一番嫌なので、セオリー通り動かない選手というのが、バイタルエリアで輝くための条件と言えるのかなと思います。

■プロフィール
遠藤保仁(えんどう・やすひと)/1980年1月28日生まれ、鹿児島県出身。178センチ・75キロ。桜州小―桜島中―鹿児島実高―横浜F―京都―G大阪―磐田。2019年に日本サッカー史上初となる公式戦通算1000試合出場の大偉業を達成。今季はJ1最多出場記録も更新(641試合)。9月にジュビロ磐田に移籍し、新天地でも司令塔として抜群の存在感を発揮している。

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 なんとなく、次にこういうプレーをするんだろうなと予測できる選手って、敵からしても守りやすい。次にどんなプレーが飛び出すのか分からないと常に思わせてくる選手は、なかなかその懐に飛び込んでいけないので、そうなると相手も完全に後手に回る。やっぱりそういう選手が、バイタルエリアではより輝けるんじゃないかなと。

 逆に守備側で見れば、そういう選手をうまくバイタルエリアから外すような状況が理想ですよね。気が付いたら、バイタルエリアから遠ざけられていたという感じ。一人じゃ無理ですけど、チーム全体として意識しながら、バイタルエリアで能力を発揮する選手をより窮屈な場所でプレーさせるというような守り方が一番の方法なのかなと思いますね。

 まあ、バイタルエリアでの意表を突くプレーというのは、サッカーにおいて楽しい部分でもありますし自分も攻撃が好きなので、バイタルエリアの攻略は常に念頭に置いてプレーしていきたいと思います。

――◆――◆――

 インタビューは移籍後、約1か月半が経過した11月18日に行なわれた。新天地への移籍当初のプレーを遠藤は、「初めて一緒にプレーする選手も多かったし、来てすぐに試合という状況も続いて、初めはなかなかうまくいかないこともあった」と振り返るが、加入直後の25節から6戦負けなしと、低迷していたチームを上昇気流に乗せ、39節終了時には磐田は7位まで順位を上げてきた。

 コロナ禍の過密日程の中で続いてきたシーズンもいよいよクライマックス。さらなる順位浮上へ、遠藤は「より多くのゴールを奪えるように、いい状態でバイタルエリアへ侵入していきたいと思っています」とシーズンラストへの決意を漲らせている。

※このシリーズ了

取材・構成●長沼敏行(サッカーダイジェストWeb編集部)
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